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好みの話じゃなくて、好きの話

9/29(sun) 夏の魔物 CRYAMYを見た

 

夏の魔物、初の野外フェスで見るCRYAMYは新鮮でドキドキして、楽しくて、嬉しかった。帰ってきてからはとり憑かれたようにずっとCRYAMY#2をリピートしている。あの場で感じた諸々がCRYAMYを初めて聴いたときの感情に似ていて、無性に聴きたくなったのだ。ディスタンスってやっぱり良い曲だな。必要なことしか歌ってない。聴き逃せる箇所がない。全部の音が大切だ。ライブのあと、CRYAMYの公式Twitterに載っていた写真を見て驚いた。あんなに人がいたんだ。太陽の下、私の大好きなバンドをみんなに見せびらかした気分だ。CRYAMYと青空の組み合わせは見慣れないから違和感があっただけで、別に結構、よかったんじゃないかなと私は思う。もっと言えば、夕方オレンジ空でのCRYAMYとか、夜の月明かりとCRYAMYとか、そういうのも見てみたいと思った。何はともあれ初めての野外ライブ、総じて素晴らしかったです。

 

15時過ぎ、真隣のステージの爆音の演奏が鳴り響く中着々と準備を進めるCRYAMY一同を見ていた。カワノさんがPKshampooTシャツの首もとを大きく切っていてそれがよく似合っているなぁと思ったり(カワノさん、白似合う)、こんなクソ暑いのにタカハシさんがアディダスの長袖ジャージを着ていることに驚いたり、そんなことを考えながら隣のステージもちらちらと見つつ、CRYAMYの出番をひたすら待つ。たぶん時間が結構押していて、隣でやっていたバンドが終わるとすぐにCRYAMYが始まった。野外ライブ、埼玉の土地、遠く向こうに観覧車、それとCRYAMY。いつもと違う晴天の下でもいつと同じSEが鳴り始めて、いつもと同じようにCRYAMYが出てくる。crybabyのステッカーを貼ったギターを持ったカワノさんの「晴れたぁ」という一言をマイクが拾って、一曲目の月面旅行が始まった。前日の日記でカワノさんが「はじめて野外でライブをしたときに一曲目にやると決めていた曲がある」と言っていてたやつだ。いつもよりカワノさんの声が大きく聴こえて、楽器の音が小さいのかマイクの音がデカいのかそれとも外だからなのかよくわからないけど、なにせ歌声が綺麗だからすごく良かった。でももう少し楽器が大きくてもよかった、かもしれない。月面旅行はレイさんのギターのメロディーが最強だから。一曲目にこういう、聴かせる曲?がくるのはたぶん初めてで新鮮だった。新鮮だらけだ。

そのあとはピンク、tenと続く。最近(前からだけど、とくに)ピンクがやたらとカッコよくて本当に参ってしまう。間奏がとくに好きで、ギターの二人が暴れまわってて(音も体も)こっちまでウズウズする。サビのタカハシさんのコーラスも好き。一時なくなってたけどまた最近やるようになって嬉しい。綺麗だ。tenが終わってからのMCがややウケていた気がするけど、何を言っていたのか忘れてしまった。それよりもこのときはカワノさんのズボンの穴がガムテープ(らしきもの、たぶんガムテープ)で塞がれていたことが気になってしょうがなかった。でも、その代わり、普通、crybabyが終わってからのMCはよく覚えている。「フェスに来るような人は嫌いだった」「でもそんな楽しそうな人たちも家に帰って泣いているかもしれない」「その人のために、なんてことは言えないけど」「勝手に歌ってるから勝手に聴いてください」いつもと同じように客席を見渡しながら言う。空の下だと明るくてカワノさんの顔もよく見えるし、きっと私たちの顔もよく見えているんだろうし、そう考えると少し恥ずかしくなった。

その後はディスタンス、テリトリアル。ディスタンスはすごく良い曲で、優しいメロディーで、でも少し苦い歌詞で、手に持っていたハイボールのプラスチックカップを思わずぎゅっと握りしめてしまう。テリトリアルのイントロはいつもの爆音よりはやっぱり少し物足りなく感じて、単純に楽器の音が小さいんだと思った。それでも、カッコいいし、空をバックに演奏する姿がやたらと頼もしい。ラストのサビでオオモリさんがスティックを飛ばしてしまったのをちょうど目撃したけど、そのときの笑顔が本当に輝いていて「ああ、楽しいんだろうな」と思った。私も楽しかった。当たり前なのかもしれないけど、ドラムが止まっても演奏をやめないのがすごく良かった。とにかく良かった。主観でしかないけど、野外でのライブすごく良かった。もう全然、余裕で似合っていた。

 

後日談というやつなんだけど、ちょうどこの日の翌日に家の洗濯機が壊れて、今は夜な夜な近くのコインランドリーに洗濯物を出しに行ってる。そのときにふと、洗濯物を抱えながら歩く夜道で思ったことがあって、カワノさんは、よく、「勝手に幸せになってください」とか言うけど、私はCRYAMYに幸せになってほしいし、CRYAMYが幸せじゃないと私は幸せじゃない。でもCRYAMYの幸せは私の幸せじゃないから、私も私で幸せにならなきゃいけない。だから、誤解を恐れず言うなら、一緒に幸せになりたい。私も幸せになるから、CRYAMYも幸せになってほしい。それまでは、勝手にやってるCRYAMYを勝手に見て、勝手に何かを感じようと思う。