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好みの話じゃなくて、好きの話

3/29(fri) 新宿LOFT CRYAMYを見た

 

本当はお昼に学校に行かないといけなかったのに、寝坊して学校での用事が終わる頃に目が覚めた。「やっちまったなぁ~」という気持ちと「よく寝たなぁ~」という気持ちでベッドから降りた。

新宿に向かうとき、最寄り駅のトイレで部活帰りの友達にバッタリ会った。疲れた顔で「これからバイト」なんて言っていたのを見て、自分の怠惰さに心底呆れながら電車に乗った。

 

新宿LOFT、初めて行くライブハウスだ。ゴリゴリのホストクラブが同じビルの二階にあり、地下へ続く階段を降りるのも少し躊躇うほどだった。しかしさすがライブハウス、一つ目の踊場付近で地上とはガラッと雰囲気が変わって、一気に賑やかな夜の新宿からはみ出されたような、そんな感覚になってしまった。これはこれで嫌いだ。駅からライブハウスまでの道のりも嫌だったしホストクラブのキャッチにキャッチされそうになったときも怖かったけど、だからと言ってライブハウスに居心地の良さを感じるわけでもない。やっぱり慣れないし緊張する。この日もできるだけ堂々と、その緊張がバレないように振る舞うのに必死だった。

受付を済ませてから中へ入る。驚いた。想像以上に広い。キャパ500人ってこんなに広いんだなぁ。そりゃそうか、普段行くライブハウスの4、5倍くらい?って言ってもあまりイメージは湧かないけど、とにかく本当に広かった。この前の赤坂BLITZも気が遠くなるほど広かったけど、新宿ロフトのほうが現実味のある広さの分、余計に広く感じてしまう。でもステージはいつもと同じくらいだった。フロアがあれだけ広いなら、ステージももう少し大きくてもいいのにな。喉が渇いていたのですぐにドリンクを交換して、ジンジャーエールを飲みながらCRYAMYの出番を待つ。前のバンドが終わってCRYAMYが出てきたら、コップを戻して前へ。タカハシさんのオレンジのTシャツ?トレーナー?が可愛かったし似合っていた。あと、フジタレイさん、前髪切った…?前はセンター分けだったけど、なんかすごく短くなってパッツンっぽくなっているように見えた、けど、気のせいかもしれない。ライブが始まるとこの日もやっぱり暴れ倒していたので、もう髪型なんかわからなくなってしまった。

 

twistedで音を確認したあと一度捌けて、いつものSEで登場。これ誰なんだろうなぁ。洋楽はマジでわからないけど、サウンドクラウドに載っている渋谷キノトのライブ音源にも入っているのでだいぶ耳に残っているし、ここまで来ると少し気になる。今度メンバーと話せたら聞いてみることにしよう。頑張ろう。

本編一曲目はディスタンス。ずーっと前のカワノさんの日記で、それこそ、その渋谷キノトのライブのことを書いていた日に、「疲れるからもうディスタンスを一曲目にはしない」と言っていたのに、来た、ディスタンス。tenかな~普通かな~と思っていたから、大きく期待を裏切られた。良い意味で。最初のドラムの一発がカッコよすぎて、その流れでオオモリさんばかり見てしまった。少し前から思っていたけど、CRYAMYは真ん中でカワノさんがよく暴れるし、フジタレイさんのギターもギャンギャン、そういうところが本当に良かったりするんだけど、リズムを作っているのはドラムのオオモリさんなんだ。いつだったかのライブで、終盤にドラムに飛び乗ったカワノさんを本当に楽しそうに見上げていたオオモリさんの笑顔が、マジで素敵だった。こういう人が3人の後ろでリズムを作っているんだと思うと、なんかもう本当、「良いな…」と。カッコいい。オオモリさんを見てドラムを始めたくなる人が絶対にいる。断言できる。ディスタンスの出だしの一発を叩きたくなる人が、絶対にいる。個人的にCRYAMYは8日の近松以来なので、一曲目のディスタンスだけでももうすごく濃厚だった。

MCを挟んで物臭、からの、雨。この日一番うるさい音が出ていた。CRYAMYだけじゃなくて、その前のバンドとその前の前のバンド、とにかく私が新宿ロフトで聴いた音の中で雨が一番うるさかった。この曲、CRYAMYの中で一番好き。出だしがアルバムとは少し違って、タカハシさんのベースから始まる。最初は何かわからなくて新曲かと思ってしまった。そのベースにフジタレイさんの"チャラン、チャン、チャチャチャーン"といういつものイントロが乗っかって、雨だと気づく。水を少し飲んでから、ドラムの音とほぼ同時にカワノさんが歌い始める。「カンニングペーパー用意できたから 手を抜いた」「タクシーで泣いた 三枚路銀を払って降りた」誰がこんな歌詞思いつくんだ…。まあ、思いつくと言うよりは自然と出てくるという感じなんだろうけど、それを歌詞にしてしまうところがすごい。この曲、"雨"より"夜"のイメージのほうが強い。なんかとことん暗いのだ。次の日の深夜、バイト中に外のゴミ置き場にゴミを出しに行ったときに、いつの間にか降っていた雨で濡れた地面を見て、この日の雨を思い出した。街頭に照らされているだけなのにやたらとキラキラ光っているように見えるコンクリート、それは雨が降っていたからだし、夜だったから。CRYAMYがそうとは思わないけど、少なくともこの曲の魅力はそれに似ていると思った。雨に濡れてやっと光れるものはあるし、それは暗闇にいるからこそ気づけたりするものだと思う。美化しすぎかなぁ。でもそういう歌があってもいいよね。落ちるとこまで行ったって私はそれで自分を守っていきたいし。雨が終わって、タカハシさんのベースの余韻が残ったままcrybabyが始まって、演奏も激しいし音も荒々しいけど、歌っていることは雨とそんなに変わらないなぁと思った。「日々を裏返す」ってどういうことなんだろう。「笑って"キモいね"って」って、誰に向けて言っているんだろう。ああ、シングルが楽しみ。

テリトリアルの前のMCで、カワノさんが「命懸ける」なんて言っていた。命懸けるって具体的にどんな意味なんだろうなぁ。命懸けてもらっても、私は嘘でも「じゃあこっちも命懸けてCRYAMY聴き続けます」なんて言えない。これはずっと思っていたことなんだけど、本当にバンドは人生をかけて音楽をやっているし、時間とお金と労力をかけて曲を作っているのに、私たちはそれを5分そこそこで評価して、褒めたり、貶したり、忘れたり、思い出したり、好き勝手やりたい放題だ。その5分にお金を払う人は多くないし、そんな5分には時間を使わない人だってごまんといる。私だって所詮そんなものだ。私には私の生活があるから、音楽よりも命を懸けないといけないものがたくさんある。CRYAMYにかけられるものはせいぜいお金と時間くらい。他のバンドや娯楽と天秤にかけることもあるけど(うまい!)。じゃあ私には何ができるかな、何ができるかなんて考えるのも変だけど、私はCRYAMYを忘れないでいたいなぁ。ずっと覚えていたい。音楽は消耗品じゃないから、大切にすればちゃんとずっと残っているし。聴かなくなっても、好きじゃなくなっても、大切にしたいと思う。本気で。そのくらい今はCRYAMYが大切だ。一瞬の刹那的な儚さ、CRYAMYをそんなものにはしないぞ。CRYAMYはずっと綺麗に残っているんだ。テリトリアルはそういう曲だ。

 

そういえば、カワノさんのジャガー(種類の名前なのかなんなのかよくわからないけど、カワノさんがこう呼ぶから私もこう呼ぶ)が戻ってきていた。また、地面に叩きつけていた。また壊れてしまわないか心配になってしまった。フライングVも似合っていたけど、やっぱりこっちのギターのほうがしっくりくるので。

次は4月6日。西永福ジャムだ。楽しみ。

 

 

追記

カワノさんの日記を読み返してみたら、ディスタンスは一曲目にやるもんじゃないとは言っていたけど、「疲れるから」とは一言も言っていなかった。思い込み怖い。