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好みの話じゃなくて、好きの話

私がCRYAMYを好きになった頃のカワノさんと同じ歳になった。厳密には、まだなっていないが、もうなる。あの頃はたった2つしか違わないんだと感じていたけど、今は一回りも二回りも上に見えるほど、なんというか、先に走って行かれたような、そんな感覚。私はこの2年間ずっと足踏みをしながら、猛ダッシュで駆けていくCRYAMYの背中をただ羨み、見ていることしかできなかった。徐々に遠くなる背中が日毎大きく見えてくる。他人に言えるような幸せも、他人に言えないような不幸もない。他人と違う何かになりたかったのに、ずっとバンドが好きだったのに、どうして私はギターを持っていないんだろう?幸せも不幸も優しさも絶望も何も持っていない。ただ時々、酷い虚しさに襲われるので手一杯だ。CRYAMYの「雨」を聴いたら泣きたくなった。きっとカワノさんはもうこんな曲を書かない。それなのに私は、2年前にこの曲を聴いたときと同じように、また死にたくなった。死にたいというか、消えてしまいたいな。他人と肩を並べてここにいることが恥ずかしい。交差点で目の前を横切った男女2人組に自分がバレないように下を向いたとき、また少し猫背になった気がした。

 

「飲み放題ですか?」「お席のみのご予約でいただいてます」「じゃあ飲み放題にしてください」マスクの中で顔面が引きつった。ホットペッパーで予約してきたのはお前だろ。お前の落ち度だろ。てか15人から9人に人数減ってるなら連絡してこいよ。ホットペッパーでも変更欄くらいあるだろ。情報弱者か?こっちはお前らみたいなゴミ大学生のために席取ってんだよ。大学生集団って本当にそれだけで店員から煙たがれるんだから、もう少し丁寧に振る舞ったほうがいいよ。なんて言えるはずもなく、私の判断でお断りしてもよかったんだけど、最近はすべての責任を店長に丸投げすることにしているから「飲み放題にしたいって言ってるんですけど」と言いにいった。もともと放題は前日までに予約しないといけないシステムだから、新人さんがドリンクを作っていることも考慮して私的には断りたかったんだけど、店長からはGOの指示。満席も相まって案の定ドリンクが全然回らず、お客さん全員に不満を与えてしまった。マジで店長、目先の売り上げに目が眩むクセどうにかしてほしい。お客様満足度>従業員満足度じゃないよ?お客様満足度=従業員満足度だからね。それにしてもゴミ大学生だったなぁ。酒入ってからは下ネタしか話さないし、女に飲ませたがる男ばっかり。終始うるさかったし。私には一生理解できない。あれが普通の大学生なんだろうか。どーせFランだろ。…あ、違う、年確したとき慶應大学の学生証見せてきたな。日本終わったね。

 

向こうから連絡してくるくせに、なんでいつも最終的に私が振られたみたいにならなきゃいけないんだ。いや、ていうか、昨日までめちゃくちゃ普通だったじゃん。夜暇だったら電話しようって言ってきたじゃん。なぜ未読無視?てか私本当にこういうの多いんだけど?あーこのまま付き合うのかなーでも結構悪くない、むしろ良いなーって思ったところで強制終了させられる。でもこっちからまた連絡するのも、なんというか、なんか違う気がして、そのまま。いつの間にか全然違う女の子と付き合ってるし。キープしていたつもりがされていたってわけですか。この前もバイト先の後輩にそんなことされて、あーんなに尻尾振ってきたくせに、急に音沙汰がなくなって、同期のバイトの女の子と付き合ってますって。飲み会の目の前の席でイチャつかれたときの虚しすぎる敗北感。一軒目はそれが嫌で2人から遠い席を陣取ったけど、二軒目に完全に油断してしまった。というか、こんなことを気にしてる時点で私の負け。胸元のキスマーク、せめて隠してこいよ。「彼氏いないんですか?」じゃねーよいねーよいたらお前と連絡とってねーよ。箸折りそうになった。本当、こんなんばっかりだ。まあシンプルにモテないだけなんだけど。外見も中身もなーんにも魅力ないんだろうね。誰からも好かれないって、本当に悲しい。これが一番辛い。私最近は結構頑張ってるんだけどな。"最近は"か。

 

ただいまバンド。どう足掻いても私にはこれしかないです。他に何かを見つけても結局戻ってきてしまう。

もう色々疲れたからライブハウスに行ってもいいですか?