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好みの話じゃなくて、好きの話

5/25(sat) 下北沢GARDEN CRYAMYを見た

 

5/25 下北沢サウンドクルージング

朝目が覚めると体調がすこぶる悪かった。頭痛にやんわりとした吐き気、頭がボーっとする、そんな体を無理やり起こして下北沢に向かった。

前々日くらいから体調が良いとは言えなかったのに、私はバイトをしたり朝まで飲んだりタピオカを食べたりしてしまって、全く体に気を遣わなかった結果がこの有り様。でもこの日はずっと楽しみにしていたサウクルなのだ。這いつくばってでもガーデンに行かないといけない理由がある。そこでデイタイムのトリを努めるCRYAMYを何がなんでも見たかった。思えば前日、ライブに行く話を友達にしたら何のバンドを見に行くんだと聞かれて、CRYAMYだと素直に言ったら「知らねー!」と一蹴りされてしまった。いいさいいさ、笑えばいい。私だってお前の好きな競馬のことなんて一切知らない。お互い我を忘れるくらい好きなものがあるなんていいじゃんね、自分たちにとって特別であればそれでいいんだ。それにCRYAMYはいつか絶対誰でも知ってるバンドになるから、そんなことを言われたって私は山賊に酒を浴びせられても平気でいるシャンクスくらい広い心で笑っていられる。

下北沢に着いたのは、12時半の少し前。リストバンドを交換して(リストバンドを腕に巻いてくれたお兄さんがイケメンだった。腕の毛ちゃんと剃っててよかったー)最初に向かったのは下北沢レグ。トップバッターとなる2を見に行った。この頃にはもう体調は気にならないほどになっていて安心。結局この日は2とROKIと時速とペリカン、そしてCRYAMYを見たんだけど、最悪2とCRYAMYさえ見れればいいと思っていたところもあった。本当はPKshampooも見たかったんだけど、出番がCRYAMYの直前のデイジーバーだし、カワノさんが今はなきツイッターで「リハとかない。音出しから全力でやる」みたいなことを言っていて、それを全部見たかったので、PKshampooは7月のツアーまでとっておくことにした。あとあとSNSで反応を見てみると入場規制のうえにすごく良いライブだったみたいで…。でも後悔はない、ひとつ前のバンドからずっとガーデンにいたからCRYAMYはあんなに広い会場の前の方で見れたんだ。嬉しい~。

 

本当は2のルシファーが死ぬほどカッコよかったこととかそこにPKのにしけんさんがいたこととか、時速の仲川さんがバンプのTシャツを着ていたこととか初めて見たペリカンがすごく良かったこととかいろいろ書きたいんだけど、長くなってしまう(すでに長い)のでCRYAMYだけ。というか、トリのCRYAMYに全部持っていかれたので正直それまでの経過を忘れてしまった。CRYAMYさえ記憶が曖昧なので…。

 

CRYAMYの前にガーデンでやっていたバンドはHaloat四畳半で、たぶんサウクルに来るような人なら誰でも知っているバンドだと思う。このあいだ、バイト先にHaloat四畳半のiPhoneケースを付けているお客さんが来たくらいだ(ちなみにその日はマンウィズのライブがあったのかわからないが、そのTシャツやらなにやらを纏ったお客さんも来ていた)。Haloat四畳半のときもお客さんはたくさんいたものの"ぎっしり"という雰囲気ではなくて、そもそも入った瞬間から広々とした空間に驚いたし、「これは大丈夫なのか…?」と柄にもなく少しCRYAMYの出番が不安になってしまった。でもカワノさんいわくこれは賭博で、勝ったら気持ちがいいらしい。もう賭けるしかない。ベット!

Haloat四畳半が終わると、前から後ろに流れていく人たちを掻き分けて前方、ベース側へ。本当に広い。それに比例して、ステージも少し高い。音を調節しているあいだに、PKshampooを見に行っていたであろう人たちが続々と入ってきた。前の方にいたので後ろがどのくらい入っていてどのくらい空いているのかがわからなかった。気になって何度か後ろ振り返ったけど、真後ろにいた男の人に迷惑そうな顔をされたので途中からはそれもやめて、目の前のCRYAMYに集中することに決めた。

リハーサルは、普通とtwistedだった。普通のイントロの最初だけタカハシさんのベースの音が出ていなくて気づいたんだけど、なんというか、ベースって大切なのかもしれない。ベースがある音に聴き慣れているからなのかわからないが、ベースがないと音がカスカスだった。そんなことはバンドをやっていたり聴いている人からすれば当たり前の話なのかもしれないが、私にとってはかなりの発見。今まではバンドを聴かない友達に「ベースってなに?」「ベースいる?」と聞かれても上手く答えられなかったけど、これからはちゃんと答えられる。ベースがないとなんか変だったし。普通のあとtwistedをやってから、「よろしくお願いします」と残して一度捌けた。その直後、オレンジスパイニクラブ(らしい)の面々がやってきて、カワノさんの名前を叫んだり「愛してるよ~!」なんて言ったりしていた。普通に酔っているように見えた。でも、そういうことを私は言いたくても言えないしたぶんみんなそうだから、そうやって叫んでいるのを聞いて少し気分が良かったりもした。

それから照明が落ちるまではそんなに長くなかった。SEが鳴り始めて、いつもどおり、オオモリさんからタカハシさん、フジタレイさん、カワノさんと順番に登場する。四人を向かえる拍手、怒号、なんだか人気のバンドのライブが始まる瞬間みたいで、もしかしたら本当にCRYAMYは私たちのアイドルなのかもしれないなんて思った。

耳をつんざくようなノイズと同時にステージが明るくなると、一曲目のcrybabyが始まった。すると後ろからドッと人(たぶんオレスパ)が押し寄せてきて、軽くモッシュのようなものが起こる。私はもう楽しくて楽しくて。リリースパーティーでの一曲目もたぶん同じような感じだったんだろうけどその時は泣くことしかできなかったので、こんなに楽しくて仕方がない、バカみたいに笑っていられるライブはCRYAMYでは初めて。あと、タカハシさんの叫んでいる声をこの爆音の中で初めて聞くことができたので嬉しかった。二曲目はディスタンス。最初のオオモリさんのドラムと、そこからの"ジャーンジャーンジャーン"が持つ力がすごい。勢いと強さの他に何を込めればあの音だけでここまで響いてくるのだろう。その勢いが余って必ず少し上擦ってしまうカワノさんの歌い出しまでずっと耳に残っている。序盤二曲目のディスタンスいいなぁ。その勢いのまま三曲目tenへ。カワノさんはまたダイブしていた。PKshampooのヤマトパンクスや、CRYAMYをこのガーデンのトリに推してくれた龍ノ平さんまでステージから飛んできていて、嬉しい楽しい最高。この序盤三曲の疾走感が尋常ではなくて、体感的にはものの十数秒というくらい。tenが終わるとMCを挟み、中盤はpink、物臭、雨と続いた。pinkのときだったかな、たしかその辺りで、フジタレイさんがカワノさんとタカハシさんに突き飛ばされて客席に飛び込んでいた。結構すごい勢いで、そのときにギターの弦が切れてしまった(らしく)、時速の仲川さんが急遽替えのギターを持ってきてくれていた(らしい)。この日時速のライブも見たけど、そのとき仲川さんはMCで「友達のCRYAMYってバンドがガーデンに出るんですよ、すごいですよね、嬉しいなぁ」と言っていたので、なんだか胸が熱くなった。暴れればいいというわけではないんだろうけど、結局そういう気持ちが現れる高ぶったライブというかそういう演奏が私は好きだし、たぶんみんなそうだと思う。だってロックバンドだし。Haloat四畳半がアイドルみたいな笑顔で「ロックバンド代表として来ました!」なんて言っていたけど、アイドル枠でガーデンのトリにぶち込まれたCRYAMYのピコピコピーというギターの音と不器用な笑顔のほうが断然ロックバンドだった。

なんかあまり覚えていないけど、たぶん雨が終わってからもう一度MCを挟んで、月面旅行。月面旅行のバンドバージョンのイントロが大好きなので早急に音源化してほしいところである。とくにレイさんのギターのメロディーが優しくて好きだ(さっきからさらっと下の名前で呼んでしまっていて恥ずかしい)。そして新曲プラネタリウム。音楽を聴いているときは、その音楽と自分だけ。「わたしとあなただけ」という歌。"CRYAMYとわたし"である。この前の下北沢タワレコでの弾き語りでこの曲は月面旅行のアンサーソングだと言っていたけど、アンサーソングとはなんだろう。月面旅行にはどんなクエスチョンがあるのかすらまだよくわかっていないので難しいけど、いつかわかるといいな。

「CRYAMYとわたし」が何通りもできたところで、最後の曲テリトリアルへ。いつも言っているけどカワノさんが「好きな人に捧げた歌だったけど受け取ってもらえなかったからみんなにあげます」とまた言っていた。最初にサビの「簡単なこと言えやしないよ」の部分からをカワノさんがアカペラで歌って、それからイントロに繋がる。個人的にはリリースパーティーのときよりもこの日のテリトリアルのほうが良かったというか、なんというか、「癒えないで痛ぇ」という歌詞があるけど、みんなその部分を大熱唱していて、みんな癒えずに痛い思いをしているのかなぁと思うと、そういう曲をくれたことが嬉しくなった。なんて言うんだろう、とにかく、私も笑顔とも泣き顔とも真顔とも言えない顔で「癒えないで痛ぇ~~!」なんて叫んでしまった。だって痛いし…。初めてこんなことを叫んだ気がする。悲しいことや辛いことがあっても簡単には泣けないし、そんなことワンワンと嘆いていられないし、でも消えないし…。だからせめてそれを一瞬でも解放できる機会をくれてありがとう~という感じ。爆発!ステージ上もステージ下も、もう全部ぐちゃぐちゃだった。忘れていたけどこの日のCRYAMYはサウクルで下北沢GARDEN、デイタイムのトリなのだ。最後カワノさんが天井にギターを突き刺そうとしていたのは笑ってしまったけど、そんなことをしなくたって私たちの中には完全に残っている。私は前の方にいたから後ろにいた人がどんな反応だったのかはわからないし結局賭博に勝ったのか負けたのかも謎だけど、この日誰よりも楽しんだ自信があるので私の勝ち、私の勝ちということはCRYAMYの勝ち。楽しかった~!あと、CRYAMYは広い会場が似合うなと思った。

ライブが終わったあとアンコールの手拍子が起きて、私ももう一度出てきてほしかったんだけど、サーキットだからやっぱり厳しいみたいだった。でも、出てきてくれることが決まってるアンコールよりも出てくるかどうかわからないアンコールのほうがドキドキして、私はそれすらも楽しかった。もう本当に楽しかった。来月のワンマンまで、また頑張れそうだ。