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好みの話じゃなくて、好きの話

11/21(wed) 下北沢DaisyBar CRYAMYを見た

 

週の折り返し、水曜日の19時半から下北沢のデイジーバーでCRYAMYを見てきた。2回目のCRYAMYで、2回目のライブハウスだった。

 

人のことで流されるのが本当に嫌い。私はどちらかというと同情しやすいタイプで、それが原因かはわからないけどよく他人のいざこざに巻き込まれる。本当に巻き込まれるのだ。自分から首を突っ込むつもりはさらさらないのに、「お前はどう思う?」みたいな質問によって自分の意見を言わざるを得なくなり、バチバチと火花を散らしている対立の真ん中にポツリと立たされる。結果的に私が両方からの標的になったこともある。善意に努めて両方の話を平等に聞いた結果、「お前は自分の意見がない」だの「偽善者」だの心ない言葉を浴びせられる。

だから私はできれば他人と関わりたくない。そういういざこざを経て仲良くなった人がちゃんといるから、もうその友達だけいれば私はそれでいい。それなのに新しい環境に行けば新しい人間関係を作らないといけなくて、わかってはいるけどそれが本当にしんどい。極力関わらないようにして、あれもこれも酸いも甘いも全部見ないフリをしていたのに、私は最近それを止めてしまった。

だらだらと書いて申し訳ない。わかりやすく言うと、バイト先のあまり溶け込めてない外国人の子を気にかけてしまった。本当に私はよく、こういうことをするのだ。正直放っておきたいし、アルバイトなんて私にとっては金を稼ぐ場でしかないので、他人との繋がりなんてどうでもいい。そりゃ円満にやっていきたいとは思ってるけど、それ以上でも以下でもない。適当に働いて適当に喋って、たまに営業後に残ったメンバーで飲みにいけばいい。バイト同士で付き合ったとか別れたとか、ヤッたヤッてないとかもう至極興味ない。それで仲悪くなったとか自業自得。空気乱すなよクソが。

そんな感じでバイト中もツンケンしてることが多いんだけど(そんな私にもニコニコ話しかけてくれる社員さんには感謝してる。自分でも最近少し横柄すぎたなと反省していて、多少はヘラヘラすることを心がけている)、最近入ってきた外国人の女の子が、文化の違いか言葉の違いかわからないけど、あまり馴染めていない。

外国人の子が入ってくるのは初めてじゃないし、なんなら社員の一人も中国の人だ。もう一人バイトに中国の女の子と、他にも韓国の女の子とか、あとどこだっけ、忘れちゃったけど他の国出身の男の子もいる。その男の子は日本に来てまだ数ヶ月で言葉もままならないけど、私なんかよりも本当によく働いている。日本でぬくぬくと育ってぬくぬくと働いている自分が情けなく思えるくらい。みんな普通に馴染んで楽しそうにやっているけど、その、最後に入ってきたミャンマーの女の子が、あまり楽しそうじゃない。おまけに色々やらかしてるみたいで社員さんに相当怒られていて、先週の金曜日もくっそ忙しい中基礎的なミスをして冷たく当たられていた。あとあと聞くと、その社員さんも悩んでいるみたいで、「外国人だからと言って他のアルバイトの子と差別はできないし、でもやっぱり母国から日本に来てそれでも頑張ってやってるから優しくしたい」みたいなことを言っていた。「優しくすればええやん」と言ったら、「できる範囲の優しさはもうし尽くした」と言われた。「ミスして仕事増やされてこっちも負担になる」と他のバイトの子が言っていた。報連相もあまりできていないらしくて、社員さんも困った顔をしながら「どうしようかな~」と首を傾げていた。もともと優しい人だから、どうにかしてあげたいみたいだった。でも立場的にいろいろ難しいみたい。上に立つのは大変だなぁと思った。

結論から言うと、誰も優しくしないなら、私が優しくすればいい。一人でも味方や理解者がいれば、周りが全員敵でも(この場合は敵じゃないけど)なんとかやっていけるものだ。高校生のときに嫌と言うほど学んだ。でも本当に嫌だったので、その子に優しくしていいものかと悩んだ。肩を持ちすぎると他の子に嫌われる。放っておけばその子が辛い。仲を取り持とうとすれば私だけ除け者にされることもある。でも私は辛そうな人を見ているのが自分が辛いことよりも辛い。そんな気持ちが昔からある。偽善者と言われるくらいには。

ライブの前の日、カワノさんが飼っていた亀や金魚の話の中で、「水を変えたり餌をあげたり、小さなことでもそれをできない側からしたら革命的なこと」とインスタで言っていて、ハッとした。私はたぶんその子に優しくしたい。何も考えず、そうしてみようと思った。

 

そういうことがあったあとのライブだった。もはや何の話かわからない。

下北沢に行ったのは初めてで、私みたいなやつには息が詰まりそうなところだった。下を向いて歩いていたけど、少し顔を上げれば必ず誰かと目が合う。もうこっち見んなよ。「何アイツ?場違いじゃね?」とみんなが言っている気がするという、ひどい被害妄想が脳を支配していたので、極力周りを見ないようにした。角を曲がって少し歩いたところに、他の店に紛れてデイジーバーの甲板が一番下で光っていた。防音の関係でライブハウスは地下にあることが多いみたいだけど、地上ではみ出された人たちがそこに押し込まれているようでどうしても好きになれない。そしてこの地下への階段も慣れない。ビクビクしながら受付をして、ビクビクしながら扉を開けると、近くにいた人がみんなこっちを見る。クソ、こっち見んなよ。開演まではずっとTwitterをシュッ、ポッてしていた。CRYAMYがステージで準備していたけど、それを見る勇気はまだなかった。

 

全然関係ないけど、私はライブレポを書くのが好きで(というか語るのが好き)、自分の行ったライブを大きいものから小さいものまでほとんど文章にしてきた。だいたいがライブのレポートというよりはライブを見たときの状況や心境のレポートになってしまうけど。自分の心なしにライブは見れない。つくづく自分大好き人間だなと思う。あーいうことがあって、こーいうことがあって、そんでこのライブでこう感じた、みたいな。今回だってそうだ。バイト先のことがあって、その気持ちのままライブを見てきて、その気持ちを持ち帰ってきた。でもこの気持ちを忘れたくなくて、こうやって文字に起こそうとする。中学生のころから、この語り癖は増す一方だ。友達にはヘンテコだと言われる。うるせー、音楽が全てだと思ったこともないようなやつに何がわかる。因みに音楽は人生の全てにはなれないから、あまりのめり込んで聴きすぎないほうがいい。これも高校生のときに学んだ。高校時代のことはあまり思い出したくないことばかりだけど、当時その気持ちも音楽と一緒に日記に残していたから忘れられない。ただの愚痴と恋心と音楽に関することしか書かれていないので、日記と言うにはあまりにも名ばかりだけど。

 

話を戻したい。

CRYAMYのライブはやっぱり良かった。好きなバンドのライブは全部良いけど、CRYAMYはとくに好きなのでとくに良い。さっきまで普通の顔してセットリストを床に張り付けていたのに(本当に張り付けていたかはわからないけど、ガムテープをビリビリと切って床に着けていたのでたぶんそう)、準備を終えて一回捌けて、またステージに戻ってきたら狂ったように音を鳴らしていた。うるさかった。私は大きな音が苦手だ。掃除機の音もドライヤーの音もトイレの流水音も苦手だし、バイクが通ったときなんか、もう、ね。その何倍もデカイ音に鼓膜がやられそうになる。前回ライブに行ったときはずっと耳鳴りしてたし。今回は今回で寝不足かしらないけどカワノさんが高音を出す度に頭がグワッとした。グワッてなんかダサいな。pinkのときとかやばかった。ピンクって可愛い響きだけど、CRYAMYの曲になるとこうも鋭くなるんだね。カワノさんから発せられるピンクって言葉がかなり尖っていたけど、スポットライトがピンクだったからそれが緩和されて素敵だった。でもとくにサビの高音で頭がグワッとした。とにかくあんまり良くないんじゃないかと思ったけど、寝不足の可能性もある。なんせ前日はバイトが終わったのが2時前で、そのミャンマーの女の子について(など)話し合っていたら3時。帰って来てお風呂に入ってなんやかんやして就寝は5時を過ぎた頃。起きたのは10時。うわ、結構寝てるわ。とりあえずCRYAMY大好きだし、これからもライブ行きたいからなんとかならないかなぁ。ステージの目の前で女の子が1人聴き入ってたけど、あの子耳大丈夫だったのかな。

 

「ラブソングやりまーす」と言ってやったtwistedは優しくて好きだった。ベースのタカハシさんのコーラスがきれいなことに気づいた。すごくきれいだった。そういえばライブが終わったあとに、外に出ようと思って扉を開けたらちょうどタカハシさんも向こうから扉を押していて(引いていたかな、どっちだったか忘れた)、「ライブ良かったです」とたった一言だけど声をかけたら、「ありがとうございます」とたった一言不器用な笑顔と一緒に返ってきた。その時の声もきれいだった。前から薄々感じてはいたけど、私のフェチズムは声にあるかもしれない。因みにそのあと、その先にあるもうひとつの扉を開けたら今度は向こうにカワノさんがいた。「ライブ良かったです」に加えて「頑張ってください」と言ったら、また少し不器用な笑顔と一緒に「ありがとうございます、もっと頑張ります」と返ってきた。歌っているときの声と比べて高い声をしてるなとライブ中のMCから思っていたけど、やっぱり少し高い声だった。なんか、頑張ってくださいとかじゃなくて、もっと気の効いたこと言えないのかな、私も。私のほうがよっぽど器用じゃない。

 

爆速のtenも好き。この曲を初めて聴いたのはカワノさんのインスタに載ってた1分のアコギ弾き語りで、乾いた歌声に幼くて切ない歌詞がすごく良かった。カワノさんのサウンドクラウドに上がっているデモ音源のほうも好き。とにかく私はこの曲が好きだけど、ライブでやるうるさいtenは一番好きだ。CRYAMYの曲をほとんどお母さんに聴かせたんだけど、唯一良いと言ってくれたのがこのten。でもライブ音源を聴かせたら微妙だと言われた。静かなほうが感傷に浸れていいらしい。お母さんにどんな感傷があるのだろう。でも私は、ギターやドラムをガシャガシャと鳴らしたうえに、攻撃的な歌声で叫ぶようにこの歌詞を乗せるミスマッチ具合に惹かれるし、あとたぶんシンプルにこういうバンド音楽が好きなんだと思う。もともと短いのに一番しかやらないから一瞬で終わっちゃうけど、前回も今回もtenのときに気持ちがブワッと盛り上がった。グワッとかブワッとか、擬音ばかりで恥ずかしい。

その後のMCでカワノさんが「許してほしいことがたくさんある」と言っていた。テリトリアルはそんな気持ちで書いた曲なんだと。

私もある。中学生のとき優しくしてあげきれなかったあの子とか、高校生のとき味方をしてあげられなかったあの子とか、見捨ててしまったあの子とか、あと、守ってあげてるつもりが実は守ってもらっていたあの人とか。許してもらいたいし許されたいし、そんな私を私はいつになったら許せるだろう。ずっと覚えてる。日記を読むたびにあの時のことが思い浮かぶし、読まなくても思い出す。後悔してる。

だから今回は後悔したくないし、後々許してほしいなんて思いたくないから、私はちゃんと優しくしたい。ただのエゴだけどそうしたい。私は人に、優しくしたい。

 

CRYAMYがステージを降りてすぐ、ドリンクを交換して一気に飲み干してパパッと外に出た。ライブ中は良いけど、転換中の雰囲気は本当に苦手。ドリンクも飲まなくていいからさっさと外に出たかったけど、さすがにドリンク代がもったいないのでジンバックをもらった。私はそこそこのケチなのだ。そしてジンバックが好きなのだ。

 

帰りは方向がわからなかったけど、なんとか来た道を辿って駅に着いた。井の頭線で帰った。来るときは小田急だった。渋谷で乗り換えるときに、2回も美容師の卵に「髪の毛カラーしませんか?」と言われた。いわゆるカットモデル(カラーモデル?)だと思うけど、私の髪の毛は一度も染めたことのないカラー処女なのでソレを簡単に捧げたくはないし、お腹も減っていて早く家に帰りたかったので「すみません、大丈夫です」と苦笑いをして断った。2人目に声をかけてきた女の子は可愛かったから申し訳なさが残った。繁華街にいる居酒屋のキャッチなんかもそうだけど、断ったあとにこっちがいたたまれなくなる。向こうはそれが普通だから何とも思わないだろうけど、こっちは申し訳なくなってしまう。あっちが勝手に声かけてきたくせに。なのでキャッチ文化は廃止すべきだと思う。

 

帰ったらまた耳鳴りがしていた。でも次の日には治っていたからよかった。

 

次のライブは12月13日かな。そのあとの27日と30日は行けるかわからない。全然覚えてないけど、シフトを入れていた気がする。さすがに年末に変わってくれる人はいないだろうし、私は結構真面目なので入れたバイトはちゃんと出る。一回だけ激しい二日酔いで休んだことあるけど。あれはマジでキツかった。「吐き気が止まらない」と言ってバイト先に電話したので、嘘はついていない。

 

今一番聴いているのはpink。ライブで聴いてめちゃくちゃ好きになった。前から好きだったけど、もっとだ。

 

おーわり。

 

 

追記。

そういえば、転換中にBGMとしていろんな曲が流れてたけど、ドリンクを交換してるときにSALOVERSのフランシスコサンセットが流れてて嬉しかった。選曲気になる。