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好みの話じゃなくて、好きの話

8/23(fri) 寺田町Fireloop CRYAMYとHue'sを見た

 

Fireloopから耳鳴りだけ持って家まで帰ってきた。あらゆる全てを置いてきたのかと思うほど、その後の時間は、なんかもう、無。まだ薄暗い早朝の寺田町(意図せず韻、踏んでしまった)なんか、この世の終わりくらい荒んで見えた。そういえばYouthはライブだと世界の終わりの間奏から始まるけど、あれは本当に、どうすればそんなことが思いつくんだろうか…。とりあえず時系列に添って、関係あることないことだらだら書く。もう決めた。だらだら書くから!メリハリのある文章だと思うなよ、そんなのいつも書いてないけど…。

 

ことのはじまり?は8/19まで遡る。その日は新代田フィーバーでCRYAMYとHue'sを見た。開演から行こうと思ってたんだけど、昼寝をしたら完全なる寝坊をかまし、CRYAMYすら危ぶまれる時間。15分で化粧から髪の毛、着替えなどすべての支度を終え(人間、やればなんでもできるんだな)なんとか間に合った。この時は大阪のツアーファイナルは行かないつもりだったので、しっかりとHue'sを目に焼き付けておこうと思ったら焼き付きすぎて離れなくて、ファイナルのチケットを取らなかったことを死ぬほど後悔した。アンコールでのSwanが素晴らしいのなんの…。音源が欲しい。聴きまくる。あとはもう本当に個人的に、最近すごくやるせない気持ちが続いていて、23日のCRYAMYを見たら何か得られるんじゃないか、欲しい言葉をくれるんじゃないか、そう思ったらどうしてもどうしても大阪に行きたくなって、キャンセル分のチケットを滑り込みで手に入れた。そういう経緯で当日、新横浜から新幹線に乗り込んで、いざ大阪、寺田町はFireloopへ!

 

なんて意気込んだものの、大阪は酷い土砂降りだった。人が想像できる限界くらいの雨が降っている。だからと言って気分が下がるというわけでもなかったけど。寺田町に着いても弱まることのない雨を見ながら駅の改札前で少し突っ立ってると、ちらほらとライブハウスに向かうであろう人たちが見えた。格好とか雰囲気でなんとなくわかる。PKshampooのTシャツを着ている人なんか絶対にそうだろう。止みそうにないので駅のドトールに入った。会場時間頃に外に出ると雨はかなり弱まっていたので、とくに濡れることなくファイアーループに入れた。そういえば、初めての大阪だったんだけど、本当にエスカレーターは東京と反対だし、みんな関西弁だった。バイト先にも関西の人が何人かいるし最近ジャルジャルのコント動画をずっと見ているのであまり違和感はないけど、ほんのり大阪を感じられて良かった。あとは、タカハシさんのジャージがヒョウ柄だったことかな。

 

10分くらい押して始まったCRYAMY。フジタレイさんの金髪が綺麗。あと髪が長い。序盤のテリトリアル、sonicpop、crybabyの流れはここ最近で一番好きだった。私はとにかくsonicpopが好き。というか、たぶんみんな好き…。#3に収録されることを期待。crybabyではやっぱりカワノさんが客席に飛び込んでいた。ライブを通して2回くらいダイブしていたからcrybabyのときだったかどうか曖昧だけど、ステージに押し戻されるときに天井のパイプ?なんか管みたいなやつに足を絡めて張り付いていて、蜘蛛みたいだった。めちゃくちゃでぐちゃぐちゃでカッコよくて、それなのに「ちゃんと泣いた」と歌うcrybaby、本当に良い…。

普通、雨の順でやったこの2曲がこの日のライブの中でとにかく光っていた。普通の終盤のサビの繰り返しの部分で、急にレイさんのギターの音かメロディーかが変わった?のがありえんほどカッコよくて、私は油断していたのかわからないけどそれに本当にドキッとしてしまい、もう全部持ってかれた。ずっとドキドキしたまま普通が終わって、「雨降ってるので」というカワノさんの言葉と、レイさんのギターから始まる雨。正直泣きそうだった。"精一杯生きた結果こんな仕打ちで笑っちまうよな"、ほんと。勝ち目ないのに息しちゃってる自分が情けない。それでも最後の、やっぱりレイさんのギターがバカみたいにカッコよくて、こんなに攻撃的でそれなのに綺麗で優しいメロディーは勝ち目ない人たちが鳴らすものじゃないし、CRYAMY勝ってるし、誰がなんと言おうと私の中でCRYAMYは全戦全勝だし、そう考えると今の私はこんな素敵な味方(勝手に味方だと思ってます)がいて、心強い。

月面旅行かな、ディスタンスかな、たしかディスタンスだった気がするな、その直前のカワノさんのMCは、予想したとおり、私が今一番欲しい言葉だった。「9割世界を恨んでいてもどれだけ嫌でも1割何かがあれば救われる、生きていける」と、そんなニュアンスのこと。ここで私は、その1割が音楽だとかCRYAMYだとか胸を張って言うことはできないけど、だって世界中すべてが嫌になったときは音楽なんて聴けなかったから。でも、そんなときでも、1割、いや、もっともっも少ない割合だけどたったひとつだけずっと信じていたものがあって、それがあったから大嫌いな世界で私は生きていけて、それだけのために私はそんな世界で生きていて、そのときは味方なんていなかったけどね、私は、可哀想じゃない。そう思っていたら泣きそうになって、辛気くさい顔をしていたらディスタンスが始まって、もう今下を向いたら、瞬きをしたら落ちるというところまで涙がきていて、でも泣きたくなかったから必死に前を向いて目を凝らしてステージを見ていた。なんかもう一言で言うなら本当に苦しかった。でもそれ以上に、ただただCRYAMYがカッコよかったからもうなんでもいい。世界中、といっても私の世界の中だけの話だけど、それが私にとっては世界の全てだし、その全てが嫌になったあのときの自分が、ずっと世の中を恨みながら今も生きているんだけど、CRYAMYがいてくれて本当によかったと思っている。そのくらいCRYAMYとの出会いは革命的で突然で、人生ひっくり返った。歌詞、音、メロディー、声、ライブ中目が合っても絶対に逸らさないカワノさんの視線も全部、刺さって抜けない。こんな絶望的で希望的なバンドに出会えてよかった。というか、ここまで好きになれるものができただけで私は幸せ。好きなものに出会えないとかいう人だっている中で、一人で大阪に来ちゃうくらい好きな音楽ができたんだし、それだけでもう嬉しいことだよなぁ。あと、tenが終わって最後の最後、オオモリさんがスティック投げたの本当にカッコよかったです。

 

CRYAMYが終わって転換中、次はHue'sだとワクワクしていたんだけど、その反面、本当に気持ちの切り替えが難しかった。CRYAMYの段階でもう明確な負の感情に支配されて、そりゃCRYAMYはカッコよかったけど私はダサかった、拳もあげられずただ涙を堪えることに必死で。それでもHue'sの準備中、女はうるさいし煙草は臭いしヤマトパンクスはいるしでいつものライブハウスとなんら変わりなくて、私一人余韻が抜けずに放心している。そんな中始まったHue'sは、一曲目のベランダでもう感無量というか、やっぱり間奏がものすごくカッコよくて、その瞬間のライブハウスの空気を全て旭さんのギターが担っている感じがもう堪らなかった。レイさん然り、今回はギターの二人に持っていかれっぱなし…。何度も言うけど(本当に何度も言っている)YouTubeでこの曲のライブ映像を見たとき、この間奏があまりにもカッコよくて、ここで一気にHue'sに惹かれた。凛としたカッコよさ。自分が"音"や"メロディー"にこんなに感動できるとは思っていなかったからそれも少し嬉しかったことを覚えている。めちゃくちゃ良い曲なうえに思い入れもあるのでこの日の一曲目がベランダで本当に良かった。あと龍さん髪の毛切って、前々からどことなくバンプの藤原さんを彷彿させていたけどさらに似てきていた。

三曲目のTrashはまさか聴けると思っていなかったから普通に感動してしまった。この曲はトラッシュノイズが解散するときに書いた曲?だそうで…。私、本当にオタク気質というか好きなものはとことん知りたい、掘り下げたい派なので、YouthのMVでちょこちょこ映るコンクリートの落書きをその都度止めて何が書いてあるのか確認したことがあったんだけど、そこに"トラッシュノイズ"と書いてあったのは少し鳥肌が立った。あとはもう、もしこれを読んでいる人がいればぜひ見てみてほしい、本当に良いMVだなと思ったから。そう思うとこうやってヤマトパンクスがライブを見に来ていることが感慨深くなる。服真っ黄色でピカチュウみたいだったけど。でも、ちょっと脱線するけどヤマトパンクス、背高いし顔カッコいいし、それに良い曲作るし関西大学(留年してるけど)だし非の打ち所無…と思った。あと初大阪にして京都線に乗車したので車内で京都線を聴くという大阪でやりたいことランキング第二位をさっそく実行した。第一位は無論、神崎川神崎川を聴くことです。

長い夢が覚めての最初で龍さんがギターを交換してお酒を飲むのをただじっとメンバー3人が優しく演奏しながら待ってるのがなんか良いなぁと思ったし、それが終わってイントロのメロディーに入ると、ここでやっとファイアーループの音が他のライブハウスとちょっと違うことに気づいた。どこであっても微妙な違いはあるのかもしれないけど私には正直よくわからなくて、でもファイアーループは明らかに低いノイズがもうボワァァアってしていて(笑)、脳の中まで響く感じ。難しい。表せない。行けばわかる。

バースデイからのラスト4曲は「楽しい」以外の感情がなくて、さっきまでCRYAMYで泣きそうになっていたのが嘘のよう。照明がカラフルに点滅していてすごく綺麗。たしか、今年の4月に下北沢のライブホリックで2回目のHue'sを見たときにもバースデイをやったんだけど、その時もカラフルな照明が曲に合っていて良いなぁと思った記憶がある。あれは自分たちで決めてるのかな?すごく好きだ。その次のLuka、Youth、Hateはもう素晴らしすぎた…。LukaやYouthのような曲はみんな好きだし楽しいし、Hateでその状態を維持できるのが、本当にHue'sはすごい。というかもう楽しくて楽しくてYouthのサビで拳突き上げたらその瞬間に目の前からレイさんがぶっ飛んで来てとてもビックリした。受け止められなくてすみません…。そしてヤマトパンクスも上から流れてくるし、一瞬落ちそうになったから手を少し伸ばしたら手首をめちゃくちゃ捕まれて「あわわ…」となった。このときだったかな、いや、アンコールのAkiraboyかもしれない、本当に楽しくてニコニコしながら見てたら旭さんと目が合って(そんな気がした)なんとなく恥ずかしかった。私笑いすぎ。そんな混沌とした状況の中、「ねえそこで思い出して揺らぐ言葉 あの時のメロディーを そのメロディーを」ですか…、もう、この歌詞、素敵。Youthのサビの歌詞本当に好き。音楽に対するすべてすぎる。この曲に「Youth」というタイトルをつけるのも素晴らしいし、もう言うことが尽きないんだけどそのくらいこの曲は本当にもう、良い。そしてそのあとのHateはライブを綺麗に締めくくった、文句なしの演奏だった。もう、体が揺れる揺れる。みんながそうだからこのファイアーループも揺れる。思い出して泣きそう。本当に、行ってよかった。

アンコールのAkiraboyは嬉しい楽しいしという感じで、ロックンロールもパンクロックも実を言うとミッシェルガンエレファントだって別に詳しくない、でもHue'sやCRYAMYは大好き。左に飛んできたレイさん、右に流されるヤマトパンクス、真っ正面にHue's。今夏最大の幸せ。龍さんがライブ中に「夏の終わりに選んでくれてありがとう」と言ってくれたけど、私はむしろ、やっと夏が始まった気がした。というより、終わらないで欲しかった。夏も、ライブも、全部。それでも終わりは来る。夏もライブも全部。

冒頭で言ったようにその後の時間は無だった。書くのも嫌になるくらい無の時間を過ごした。家に帰ってからも寝ずに過ごした大阪の反動で一日中ベッドから動けずにいた。次の日にようやく、毎年8月の最後の土日にやる地元の小さなお祭りに行って、そこで食べたじゃがバターは夏の終わりの味がしたし、それと一緒に飲んだくだらないお酒は絶望するくらい美味しかった。大人になりなくないと思った。Youthという曲が余計に忘れられなくなる瞬間だった。

 

さて、とは言っても大学生の夏休みはまだあと1ヶ月ほど続く。残暑が惰性に追い討ちをかけてきそうだし、案外スッと秋になりそうでもある。でも、忘れられない、忘れたくない思い出ができたし、ライブ中もりかずさんが言っていたように、それがあればこの夏が終わることも許せるような気がしている。