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好みの話じゃなくて、好きの話

apartment2

 


寝不足でしかなかった。前日、午前3時前にバイトから帰宅。すごく疲れているのに、生活習慣が乱れまくっているせいでなかなか眠れず、結局5時頃までなんやかんやと起きていた。3時間睡眠で朝から学校へ。お昼頃に学校を出る。私は朝食をとらない派なのでお昼にはめちゃくちゃお腹が減るタイプなんだけど、この日は空腹を通り越してもう気持ち悪くなっていた。なけなしのお金でカップ焼きそばを買って帰宅(マジのほうの金欠。バンプのライブに当たってしまったので、二万弱をコンビニで支払った故)。それなのに、いざ焼きそばを食べようと思うと、なかなかお腹に入ってくれない。最初の3口ほどで胃が拒絶反応を起こしたけど、無理やり全部詰め込んだ。その後すぐに耐えきれない睡魔に襲われて、目覚ましを16時半にセットして仮眠。14時半頃のことだった。

 

バカでかい目覚まし時計の音に起こされて、のそのそと洗面所へ。つけっぱなしのコンタクトレンズを適当に濡らして潤いを与えてから、化粧と髪の毛を直して家を出る。CRYAMYの出番は三番目だったけど、この日一番手だったTeleも見たかったので開演に間に合うように西永福に向かった。

 

この日は、私と同い年の男の子が主催するapartment2という企画だった。サイクリングという、バンドを取り上げるTwitterのアカウントを運営している人だ。ライブの前にチラッとTwitterを覗くと(嘘です本当は結構ツイートを遡りました)、この日に出るCRYAMYを含めた4組の音源をまとめた動画が載せられていた。ああ、何の話からしようかなぁ。ひとまずTeleの話からしよう。

その動画を再生して、初めて夜行バスという曲を聴いた。私は初めての音楽を聴くとき、いつもなぜか少し身構えてしまう。いや、かなり、だ。「ありきたりなギターのイントロ」「いま流行りの高音ボイスか必死感を出すための下手うまボイス」「他人へどころか自分への愛もその逆もないペラッペラな歌詞」オブラートに包まず言うとこんなことをよく思う。平たく言えば、好みじゃないだけ。でも初めて聴いたTeleの夜行バスは、それを上回った、とはまた違ったんだけど、なんというか、くぐり抜けた。とくに「ルサンチマンとキスをする僕のために」という歌詞が印象的だった。知的な歌詞の中で突然、簡素な「ベイベー」という言葉が出てくるのが良い。YouTubeに「友人へ」という曲のライブ音源もあったけど、私は夜行バスのほうが好きだった。

この日の一番手がTeleだった。開演時間の19時から数分経ったあと、メンバーと思われる男の子がステージに出てきて、ギターを持つ。一曲目はボーカルの弾き語りから始まるものだった。海岸線、という曲らしい。良い曲だと思った。曲自体はあまり覚えていないけど、その曲名がやたらとしっくりきた。そして三曲目に、夜行バス。イントロが始まった瞬間、一瞬みんながピクッとしたのがわかった。無論、私も。小刻みなギターとベースのリズム、軽快なドラムの音は、ありきたりなイントロだったのかもしれない。でも私には新しいように思えたし、平たく言えば、好みだった。高音が目立つ歌声だったけど、私は低い声が良いなと思った。地面に響くような声が好きなのだ。Teleのボーカルはそんな声だったので嬉しかった。夜行バスのあと、最後に弾き語りで一曲演奏してから短いライブが終わった。良かった。良かったんだけど、なんだか、気持ち的には少し不完全燃焼だった気がする。四曲というのは少し短いんじゃないかな。曲のボリュームとしては十分だったけど、足りなかった。もっとたくさん聴きたいと思った。けど、こう思う時点で私の負けなのかもしれないなぁ。CRYAMYのメンバーにすらまともに声をかけられないのに初めて見たバンドに話しかけるなんて到底できず、CRYAMYの出番が終わって少ししたあと、ドリンクを飲みながら話しているTeleのメンバーを横目に西永福ジャムを出た。私は私のこういうところが本当に嫌いだ。

 

CRYAMYはやっぱりカッコよかった。何度でも見れる、何度でも見たくなる、というのは、なかなかないことなんじゃないかと最近思う。私はバンドが"儚い"と形容されるのが少し嫌なんだけど、一瞬一瞬の大切さというか、その一瞬一瞬をちゃんと目撃したいという意味では、儚いという表現は正しいのかもしれないなんて思ってしまった。でも私は好きなバンドにはいつまでもバンドでいてくれることを望んでいるから、しぶとくあってほしいな。CRYAMYに関してはすごく言いたいことがひとつあるんだけど、でも4/20のときに書こうと思っているので今は割愛。それまでにカワノさんの弾き語りと、もう一本ライブがあるけど、金欠なのでちょっと厳しい。次のCRYAMYのライブは4/20になりそう。なんだか、こっちまで緊張してしまう。暖かければいいなぁ。

 

この日は、企画を主催した男の子の意向で、ライブの撮影とインターネットへのアップロードが許可されていた。その子のTwitterを見たときに、私はなんだか少し感動してしまった。"ライブに来てほしい""その熱を見てほしい"と思うのは、バンドだけじゃないんだ。カワノさんがMCでその子に向けいろいろ言っていたのを見てから、「あああの子がそうなんだ」と思って、位置的にずっと視界の隅で見えていたんだけど、本当に楽しそうにライブを見ていた。なんか良いなぁと思った。それに同い年みたいだ。ライブを企画するのがどういうものなのかはわからないけど、きっと簡単なことではないだろうし、そう思うと普通に尊敬するしカッコいいと思う。たまにはライブハウスが良い場所だと感じることもあるもんだなぁ。やっぱり、西永福ジャムだからかな。下北沢より少し遠いけど、駅自体も郊外という感じで私の地元っぽくて居心地がいい。それにお洒落だし。

 

ライブが終わってからポツポツとこれを書き進めていて、今は学校に向かう電車の中で書いている。この日のライブの前に学校に行ったときは車窓から綺麗な桜が見えていたけど、もう少し散ってきているみたいだ。桜は都会にも咲いてくれるから嬉しかった。

 

おーわり。