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好みの話じゃなくて、好きの話

apartment2

 


寝不足でしかなかった。前日、午前3時前にバイトから帰宅。すごく疲れているのに、生活習慣が乱れまくっているせいでなかなか眠れず、結局5時頃までなんやかんやと起きていた。3時間睡眠で朝から学校へ。お昼頃に学校を出る。私は朝食をとらない派なのでお昼にはめちゃくちゃお腹が減るタイプなんだけど、この日は空腹を通り越してもう気持ち悪くなっていた。なけなしのお金でカップ焼きそばを買って帰宅(マジのほうの金欠。バンプのライブに当たってしまったので、二万弱をコンビニで支払った故)。それなのに、いざ焼きそばを食べようと思うと、なかなかお腹に入ってくれない。最初の3口ほどで胃が拒絶反応を起こしたけど、無理やり全部詰め込んだ。その後すぐに耐えきれない睡魔に襲われて、目覚ましを16時半にセットして仮眠。14時半頃のことだった。

 

バカでかい目覚まし時計の音に起こされて、のそのそと洗面所へ。つけっぱなしのコンタクトレンズを適当に濡らして潤いを与えてから、化粧と髪の毛を直して家を出る。CRYAMYの出番は三番目だったけど、この日一番手だったTeleも見たかったので開演に間に合うように西永福に向かった。

 

この日は、私と同い年の男の子が主催するapartment2という企画だった。サイクリングという、バンドを取り上げるTwitterのアカウントを運営している人だ。ライブの前にチラッとTwitterを覗くと(嘘です本当は結構ツイートを遡りました)、この日に出るCRYAMYを含めた4組の音源をまとめた動画が載せられていた。ああ、何の話からしようかなぁ。ひとまずTeleの話からしよう。

その動画を再生して、初めて夜行バスという曲を聴いた。私は初めての音楽を聴くとき、いつもなぜか少し身構えてしまう。いや、かなり、だ。「ありきたりなギターのイントロ」「いま流行りの高音ボイスか必死感を出すための下手うまボイス」「他人へどころか自分への愛もその逆もないペラッペラな歌詞」オブラートに包まず言うとこんなことをよく思う。平たく言えば、好みじゃないだけ。でも初めて聴いたTeleの夜行バスは、それを上回った、とはまた違ったんだけど、なんというか、くぐり抜けた。とくに「ルサンチマンとキスをする僕のために」という歌詞が印象的だった。知的な歌詞の中で突然、簡素な「ベイベー」という言葉が出てくるのが良い。YouTubeに「友人へ」という曲のライブ音源もあったけど、私は夜行バスのほうが好きだった。

この日の一番手がTeleだった。開演時間の19時から数分経ったあと、メンバーと思われる男の子がステージに出てきて、ギターを持つ。一曲目はボーカルの弾き語りから始まるものだった。海岸線、という曲らしい。良い曲だと思った。曲自体はあまり覚えていないけど、その曲名がやたらとしっくりきた。そして三曲目に、夜行バス。イントロが始まった瞬間、一瞬みんながピクッとしたのがわかった。無論、私も。小刻みなギターとベースのリズム、軽快なドラムの音は、ありきたりなイントロだったのかもしれない。でも私には新しいように思えたし、平たく言えば、好みだった。高音が目立つ歌声だったけど、私は低い声が良いなと思った。地面に響くような声が好きなのだ。Teleのボーカルはそんな声だったので嬉しかった。夜行バスのあと、最後に弾き語りで一曲演奏してから短いライブが終わった。良かった。良かったんだけど、なんだか、気持ち的には少し不完全燃焼だった気がする。四曲というのは少し短いんじゃないかな。曲のボリュームとしては十分だったけど、足りなかった。もっとたくさん聴きたいと思った。けど、こう思う時点で私の負けなのかもしれないなぁ。CRYAMYのメンバーにすらまともに声をかけられないのに初めて見たバンドに話しかけるなんて到底できず、CRYAMYの出番が終わって少ししたあと、ドリンクを飲みながら話しているTeleのメンバーを横目に西永福ジャムを出た。私は私のこういうところが本当に嫌いだ。

 

CRYAMYはやっぱりカッコよかった。何度でも見れる、何度でも見たくなる、というのは、なかなかないことなんじゃないかと最近思う。私はバンドが"儚い"と形容されるのが少し嫌なんだけど、一瞬一瞬の大切さというか、その一瞬一瞬をちゃんと目撃したいという意味では、儚いという表現は正しいのかもしれないなんて思ってしまった。でも私は好きなバンドにはいつまでもバンドでいてくれることを望んでいるから、しぶとくあってほしいな。CRYAMYに関してはすごく言いたいことがひとつあるんだけど、でも4/20のときに書こうと思っているので今は割愛。それまでにカワノさんの弾き語りと、もう一本ライブがあるけど、金欠なのでちょっと厳しい。次のCRYAMYのライブは4/20になりそう。なんだか、こっちまで緊張してしまう。暖かければいいなぁ。

 

この日は、企画を主催した男の子の意向で、ライブの撮影とインターネットへのアップロードが許可されていた。その子のTwitterを見たときに、私はなんだか少し感動してしまった。"ライブに来てほしい""その熱を見てほしい"と思うのは、バンドだけじゃないんだ。カワノさんがMCでその子に向けいろいろ言っていたのを見てから、「あああの子がそうなんだ」と思って、位置的にずっと視界の隅で見えていたんだけど、本当に楽しそうにライブを見ていた。なんか良いなぁと思った。それに同い年みたいだ。ライブを企画するのがどういうものなのかはわからないけど、きっと簡単なことではないだろうし、そう思うと普通に尊敬するしカッコいいと思う。たまにはライブハウスが良い場所だと感じることもあるもんだなぁ。やっぱり、西永福ジャムだからかな。下北沢より少し遠いけど、駅自体も郊外という感じで私の地元っぽくて居心地がいい。それにお洒落だし。

 

ライブが終わってからポツポツとこれを書き進めていて、今は学校に向かう電車の中で書いている。この日のライブの前に学校に行ったときは車窓から綺麗な桜が見えていたけど、もう少し散ってきているみたいだ。桜は都会にも咲いてくれるから嬉しかった。

 

おーわり。

 

3/29(fri) 新宿LOFT CRYAMYを見た

 

本当はお昼に学校に行かないといけなかったのに、寝坊して学校での用事が終わる頃に目が覚めた。「やっちまったなぁ~」という気持ちと「よく寝たなぁ~」という気持ちでベッドから降りた。

新宿に向かうとき、最寄り駅のトイレで部活帰りの友達にバッタリ会った。疲れた顔で「これからバイト」なんて言っていたのを見て、自分の怠惰さに心底呆れながら電車に乗った。

 

新宿LOFT、初めて行くライブハウスだ。ゴリゴリのホストクラブが同じビルの二階にあり、地下へ続く階段を降りるのも少し躊躇うほどだった。しかしさすがライブハウス、一つ目の踊場付近で地上とはガラッと雰囲気が変わって、一気に賑やかな夜の新宿からはみ出されたような、そんな感覚になってしまった。これはこれで嫌いだ。駅からライブハウスまでの道のりも嫌だったしホストクラブのキャッチにキャッチされそうになったときも怖かったけど、だからと言ってライブハウスに居心地の良さを感じるわけでもない。やっぱり慣れないし緊張する。この日もできるだけ堂々と、その緊張がバレないように振る舞うのに必死だった。

受付を済ませてから中へ入る。驚いた。想像以上に広い。キャパ500人ってこんなに広いんだなぁ。そりゃそうか、普段行くライブハウスの4、5倍くらい?って言ってもあまりイメージは湧かないけど、とにかく本当に広かった。この前の赤坂BLITZも気が遠くなるほど広かったけど、新宿ロフトのほうが現実味のある広さの分、余計に広く感じてしまう。でもステージはいつもと同じくらいだった。フロアがあれだけ広いなら、ステージももう少し大きくてもいいのにな。喉が渇いていたのですぐにドリンクを交換して、ジンジャーエールを飲みながらCRYAMYの出番を待つ。前のバンドが終わってCRYAMYが出てきたら、コップを戻して前へ。タカハシさんのオレンジのTシャツ?トレーナー?が可愛かったし似合っていた。あと、フジタレイさん、前髪切った…?前はセンター分けだったけど、なんかすごく短くなってパッツンっぽくなっているように見えた、けど、気のせいかもしれない。ライブが始まるとこの日もやっぱり暴れ倒していたので、もう髪型なんかわからなくなってしまった。

 

twistedで音を確認したあと一度捌けて、いつものSEで登場。これ誰なんだろうなぁ。洋楽はマジでわからないけど、サウンドクラウドに載っている渋谷キノトのライブ音源にも入っているのでだいぶ耳に残っているし、ここまで来ると少し気になる。今度メンバーと話せたら聞いてみることにしよう。頑張ろう。

本編一曲目はディスタンス。ずーっと前のカワノさんの日記で、それこそ、その渋谷キノトのライブのことを書いていた日に、「疲れるからもうディスタンスを一曲目にはしない」と言っていたのに、来た、ディスタンス。tenかな~普通かな~と思っていたから、大きく期待を裏切られた。良い意味で。最初のドラムの一発がカッコよすぎて、その流れでオオモリさんばかり見てしまった。少し前から思っていたけど、CRYAMYは真ん中でカワノさんがよく暴れるし、フジタレイさんのギターもギャンギャン、そういうところが本当に良かったりするんだけど、リズムを作っているのはドラムのオオモリさんなんだ。いつだったかのライブで、終盤にドラムに飛び乗ったカワノさんを本当に楽しそうに見上げていたオオモリさんの笑顔が、マジで素敵だった。こういう人が3人の後ろでリズムを作っているんだと思うと、なんかもう本当、「良いな…」と。カッコいい。オオモリさんを見てドラムを始めたくなる人が絶対にいる。断言できる。ディスタンスの出だしの一発を叩きたくなる人が、絶対にいる。個人的にCRYAMYは8日の近松以来なので、一曲目のディスタンスだけでももうすごく濃厚だった。

MCを挟んで物臭、からの、雨。この日一番うるさい音が出ていた。CRYAMYだけじゃなくて、その前のバンドとその前の前のバンド、とにかく私が新宿ロフトで聴いた音の中で雨が一番うるさかった。この曲、CRYAMYの中で一番好き。出だしがアルバムとは少し違って、タカハシさんのベースから始まる。最初は何かわからなくて新曲かと思ってしまった。そのベースにフジタレイさんの"チャラン、チャン、チャチャチャーン"といういつものイントロが乗っかって、雨だと気づく。水を少し飲んでから、ドラムの音とほぼ同時にカワノさんが歌い始める。「カンニングペーパー用意できたから 手を抜いた」「タクシーで泣いた 三枚路銀を払って降りた」誰がこんな歌詞思いつくんだ…。まあ、思いつくと言うよりは自然と出てくるという感じなんだろうけど、それを歌詞にしてしまうところがすごい。この曲、"雨"より"夜"のイメージのほうが強い。なんかとことん暗いのだ。次の日の深夜、バイト中に外のゴミ置き場にゴミを出しに行ったときに、いつの間にか降っていた雨で濡れた地面を見て、この日の雨を思い出した。街頭に照らされているだけなのにやたらとキラキラ光っているように見えるコンクリート、それは雨が降っていたからだし、夜だったから。CRYAMYがそうとは思わないけど、少なくともこの曲の魅力はそれに似ていると思った。雨に濡れてやっと光れるものはあるし、それは暗闇にいるからこそ気づけたりするものだと思う。美化しすぎかなぁ。でもそういう歌があってもいいよね。落ちるとこまで行ったって私はそれで自分を守っていきたいし。雨が終わって、タカハシさんのベースの余韻が残ったままcrybabyが始まって、演奏も激しいし音も荒々しいけど、歌っていることは雨とそんなに変わらないなぁと思った。「日々を裏返す」ってどういうことなんだろう。「笑って"キモいね"って」って、誰に向けて言っているんだろう。ああ、シングルが楽しみ。

テリトリアルの前のMCで、カワノさんが「命懸ける」なんて言っていた。命懸けるって具体的にどんな意味なんだろうなぁ。命懸けてもらっても、私は嘘でも「じゃあこっちも命懸けてCRYAMY聴き続けます」なんて言えない。これはずっと思っていたことなんだけど、本当にバンドは人生をかけて音楽をやっているし、時間とお金と労力をかけて曲を作っているのに、私たちはそれを5分そこそこで評価して、褒めたり、貶したり、忘れたり、思い出したり、好き勝手やりたい放題だ。その5分にお金を払う人は多くないし、そんな5分には時間を使わない人だってごまんといる。私だって所詮そんなものだ。私には私の生活があるから、音楽よりも命を懸けないといけないものがたくさんある。CRYAMYにかけられるものはせいぜいお金と時間くらい。他のバンドや娯楽と天秤にかけることもあるけど(うまい!)。じゃあ私には何ができるかな、何ができるかなんて考えるのも変だけど、私はCRYAMYを忘れないでいたいなぁ。ずっと覚えていたい。音楽は消耗品じゃないから、大切にすればちゃんとずっと残っているし。聴かなくなっても、好きじゃなくなっても、大切にしたいと思う。本気で。そのくらい今はCRYAMYが大切だ。一瞬の刹那的な儚さ、CRYAMYをそんなものにはしないぞ。CRYAMYはずっと綺麗に残っているんだ。テリトリアルはそういう曲だ。

 

そういえば、カワノさんのジャガー(種類の名前なのかなんなのかよくわからないけど、カワノさんがこう呼ぶから私もこう呼ぶ)が戻ってきていた。また、地面に叩きつけていた。また壊れてしまわないか心配になってしまった。フライングVも似合っていたけど、やっぱりこっちのギターのほうがしっくりくるので。

次は4月6日。西永福ジャムだ。楽しみ。

 

 

追記

カワノさんの日記を読み返してみたら、ディスタンスは一曲目にやるもんじゃないとは言っていたけど、「疲れるから」とは一言も言っていなかった。思い込み怖い。

 

 

3/9(sat) スペースシャワー列伝 2とTheSALOVERSと古舘佑太郎のこと

 

この日を目前にして聴いていたのはSALOVERSの「珍文完聞」というアルバムで、中でも「雨降りのベイサイド」はやっぱり特別好きな曲だ。雨は嫌いだけどこの曲は好き。こんな歌声を、初めて生で聴ける日が本当に来るのだ。嘘のような、夢のような、でも、本当のこと。このところ雨ばかり降っていたけど、当日は久しぶりに気持ちの良い晴天だった。

 

今回のスペースシャワー列伝、目当ては2。一緒に行った友達はHumpBackだった。会場に着くとHumpBackとtetoのグッズを纏っている人が圧倒的に多くて、2のロンTを着ている私は正直ほんの少しだけ肩身が狭かった。たまに2を着ている人を見かけると「おっ」となった。是非お話をしたいくらい。しないけど。開演前にドリンクを交換しに行ったとき、ゆずサワー?みたいなお酒を飲もうとしたんだけど、まさかの年齢確認をされてしまった。もうロッカーに荷物を入れたあとで何も持っていなかったので、仕方なくジンジャーエールにした。めちゃくちゃゆずの気分だったのに…。ライブハウスで年確なんて聞いたことないよ…。でもそのジンジャーエールがなんか甘ったるくて美味しかったので、まあ、結果オーライ。

 

18時に開演、一番手のヤングオオハラが終わると、転換を挟んでから2が出てきた。私は会場の中間くらいにある柵(手すり?)のところで見ていたんだけど、4人が出てきて古舘がギターを持ち、「二番手は俺たち2だ~!」と叫ぶと、前方の真ん中辺りにワアッと人が集まり、急に人口密度が上がっていたのが後ろから見ていてすごく良かった、というか、なんか感動した。

SALOVERSの頃からずっと追いかけていた古舘佑太郎。彼の作る曲は本当に良い。初めてSALOVERSの曲を聴いたときから7年間ずっと、「オールド台湾 行ってみたいわん」とか言ってる頃からずっと、本気でこの人は天才だと思っている。「愛しておくれ」は冗談抜きに名作だ。ヘタ上手、みたいな部類の歌声は彼がオンリーワンでナンバーワンなので、もうそういう歌い方を持ち味としようとするボーカリストは現れないでほしい。

SALOVERSの頃もソロだった頃も今も、本当にずっと彼を追いかけてきたけど、ライブに行ったことは一度もなかった。中学生の頃はまあ仕方ないとして、高校生に上がっても時間が取れず、2年生に上がる頃にSALOVERSは解散、ソロの活動をしていたときも部活やら受験やらで十分に応援しきれなかった。大学生になってから発表された2の結成は、解散後もずっとSALOVERSの面影をなぞっていた私にとっては複雑なもので、最初の頃は聴くことさえも拒んでいた。去年の、春か夏くらい、YouTubeケプラーのMVを何の気なしに再生したときに、SALOVERSを見つけた頃と比べるとずいぶんと大人びた彼がいて、それでも「ケプラー」とか「グリーゼ」とか、知識を見せつけてくるような歌詞や、肩からギターを下げてマイクスタンドを押し倒すほどの圧なんかは、昔と何も変わっていなくて安心した。それからどんどん好きになり、今に至る。大人になった彼が作る曲は、それはそれでSALOVERSとはまた違った良さがあった。「SONG FOR YOU」なんかがその例だけど、大人になり、愛しい人への真っ直ぐな愛情を歌えるようになった彼は強い。サラバーズでこんな曲はできなかった。「好きだ」とか「愛してる」とか、そんなロマンスの欠片もないようなことではなくて、「駅前で聞くんだ "明日何時起き?"ってね」なんて歌っていた彼が(SALOVERSの「床には君のカーディガン」という曲の歌詞。14歳で初めて聴いたときはまるで意味がわからなかったけど、歳を重ねるにつれてだんだんわかってきた。この言葉すごい)、「運命のお姫様がヘルプミー SOS だけど今は迎えに行けない 君に恋してる」なんて、カッコよすぎる。思わず私の中の乙女が唸った。少年が青年になり、その青年がまた大人になった。あれ、話が逸れてる。とにかく私はこの日、泣くほど好きな古舘佑太郎を初めて生で見る、7年間温めた思いを2というバンドにぶつける、そういう気持ちであの場所にいた。

雨は嫌いだけど、奇しくもSALOVERSで一番好きな曲は「雨降りのベイサイド」だし、この日のライブで一番気持ちが高ぶったのが「土砂降りの雨が降った街」だった。ステージと私との間で、本当にたくさんの人が拳を上げている。何人の人がそうしているかもわからないくらいで、目の前に人が塞がることもあったけど、古舘佑太郎だけはずっとしっかり見えていた。正直、この曲で特別に取り上げるような歌詞やギターはない。いわゆるミディアムテンポ?というやつで、めちゃくちゃ盛り上がれるようなメロディでもない。でもすごく良かった。ライブ映え、かな?序盤でこの曲を演奏したので、それからはもう文字通り浮き足立ってしまって、隣にいたお兄さんも2が好きだったのか、二人して前方で起こっているモッシュのような盛り上がりを見せていた。自然と手が上がる。追いかけ続けた古舘佑太郎が、声が、音が、こんなに、近い。それだけで、なんだか泣きそうになってしまう。

正直に言うとマジで曲順を覚えていないので、ピックアップしたい曲をピックアップしたい順に。

新曲、ルシファーがすごく良かった。冒頭が古舘のゆっくりな弾き語りで、「友達の彼女と遊びたい」(歌詞は正確じゃないけど、まあだいたいこんなニュアンス)と歌ったときに大袈裟に笑ったお客さんに対して彼が、「そこ笑うところじゃないから!」と照れ臭そうに言っていたのが、なんというかまあ、可愛かった。こういうときの感想が「可愛い」とは、結局私も女だよなぁと思う。でも彼はマジでイケメンなので仕方ない。古舘佑太郎はマジでイケメンだ。大人になってさらにカッコよくなった。あんなイケメンなら友達の彼女とも遊べるだろう。歌詞も聞き取れた感じだといかにも古舘佑太郎。メロディも良い。チラチラ見えるドラムの女の子がマジでカッコよかった。普通にアルバムが楽しみになった。

あと、後半の一発目くらいかなぁ、ケプラーが始まったときに会場の空気がガラッと変わったように思えた。少なくとも、私は変わった。待ち望んだ曲だ。私がそうだから、大概の人もそうなんだと思う。隣のお兄さんも楽しそうだった。本当にカッコよくて、また思わず泣きそうになった。カッコよくてというか、それに安心してというか、またバンドとして演奏している彼を見られて良かった。ソロのときもアルバムを買ったりしていたけど、やっぱりどこか物足りない感じがしていて、それはSALOVERSじゃないからだと思っていたんだけど、違ったみたい。バンドの曲が聴きたかったんだと思う。また仲間を揃えて生き生きとギターを鳴らす古舘がカッコよかったし、それを見られて嬉しかったし、そんな姿に安心した。それはSALOVERSの解散がマイナスなものではないという証明にもなった。"2"というバンド名を掲げるだけあって、前に進んだ彼らの結果でもある。何が言いたいんだっけなぁ。とにかく、やっぱりバンドで演奏している古舘が一番カッコいい。出番の前に流れた、アジアのどこかを彷彿させるようなメロディも、頬に入れた赤いラインも、相変わらずだ。相変わらず、バンドをやってくれている。この日最後に演奏した「フォーピース」という曲、実はあまり私の好みではないんだけど、これは彼がバンドに対しての思いを歌った曲みたいで、嬉し微笑ましい、といった気持ち。私は彼を追いかけていると思っていたけど、離せなかっただけかもしれない。バンドの音を求めていた。SALOVERSの再結成を望んでいた。でも古舘佑太郎の「今」を鳴らすのは、2なんだろうなぁ。感慨深いなぁ。でも本当に、すごく良かったよ。

中学生から大学生にかけてのこの7年は、本当に長かった。長かったのに、ずっと彼の歌声を聴いていたんだと思うと、飽き性のクセに懲りずにバンドを聴き続けている自分が少しだけ誇らしい。4バンドの中で、マジで2が一番良かったよ。人それぞれなのは当たり前だから言うけど、2が、一番良かった。輝いて見えた。2しか輝いて見えなかった。下北沢のライブハウスに行ったときだってCRYAMYしかカッコいいと思えないし、列伝だって2しか輝いて見えない。恋は盲目なので。嘘でも冗談でも「みんなカッコよかった」なんて言えない。言ってやるもんか。みんな、の中に2を含むなよ。一緒にされたくない。ただHumpBackの一曲目が「月まで」だったのはすごく良かった。この曲でHumpBackを知って、今でも一番好きな曲なので、普通に感動した。それにボーカルがダイブしていてビックリした。ロックバンドだ、HumpBack。tetoの「高層ビルと人工衛星」も良かった。tetoの曲は私には少し難しいけど、この曲は好きだ。「she see sea」って、天才かよ。シーという英単語を並べてるだけかと思いきや、ちゃんと英文が完成している。でも2が何よりカッコよかった。今度はワンマンに行きたいと、素直にそう思った。

 

夜、これを書きながら土砂降りの雨が降った街を聴いていた。よくよく聴いてみるとなかなかセンチメンタルな歌詞だ。「忘れた傘を届けるため」という理由をつけないと君を追いかけられないなんて、なんだ、全然大人になってないじゃん。見上げると君みたいな虹、下を向くと俺みたいな水溜まり、っていう対比が好きだな。

一息つこうと思ってイヤホンを取ると、窓の外に激しい雨の音が聴こえる。いつの間に、こんな土砂降りに。もう何年も前、「こんな雨の日は 雲の隙間に宝を隠す」と歌った彼は、今この雨を見て何を思うかな。変わったかな、変わらないかな。私は今でもSALOVERSが本当に好きだけど、いつまでもただの友達でいたかったなんて解散理由、全然受け入れていないけど、彼のセカンドストーリー、それに寄り添うメンバー、2のほうが好きだと思えるくらいまで、今までどおり追いかけていたい。晴れが似合うバンドだと思う。SALOVERSにはなんだか雨ばかり降っていた気がするけど、2は晴天がよく似合うバンドだ。あの日の晴れ晴れとした空を見て、ライブ日和だなぁなんて、柄にもなく思ってしまったから。

 

なんか言い忘れたこととか、ないかな、大丈夫かな。めちゃくちゃ余談だけど、古舘の顔を浮かべようとするとどうしてもしずるの村上が先に出てくる。似てるなぁ、ちょっと。あと、彼の話をするときに「古舘伊知郎の息子なんだけど~」というと相手の食い付きがよくなるので、少し話していて気持ちがいい。まあ、私もオカモトズの曲は知らないけどハマオカモトだけは知ってるしな…。そういうもんよな…。

 

おわり。

 

 

追記

思い出した、転換中に歴代の列伝に出たバンドのライブ映像が流れていたんだけど、SALOVERSも出てきた。列伝に出ていたのは知っていたけど、クリープハイプとまわっていたんだね…。SADGIRLの映像だった。この曲もとても好き。「ゲルニカのような美しさ」って歌詞が秀逸すぎる。

 

 

シェルターで聴いたHue'sのAkiraboyをサウンドクラウドで見つけたので、ありえんほどリピートしてる、なう。すごく良い。

3/5の下北沢スリーでは初めてヤマトパンクスを見た。生で聴く星、京都線神崎川、声一つとアコギ一本でこんなに良いのに、バンドではどれだけ響くんだろうと、考えただけで嬉しくなった。京都線で知らない歌詞が出てきた。あれ、京都線だったよな、たしか。ちゃんと歌詞を聞いたつもりだったけど、何日か経って忘れてしまった。何これ、意味ないじゃん。忘れないように、残るように、思い出せるように、とこんなダラダラ長々と文章を書いているのに、文字に起こす頃に忘れてしまっていたら意味がない。でも「第一宇宙速度」という言葉が出てきたのは覚えている。星に「第二宇宙速度」が出てきたときもそうだったけど、私は知らない言葉が歌詞に出てくると調べるクセ(というか、普通に知識欲)があるので、「第一宇宙速度」で検索をかけてみることにする。まあ、第二宇宙速度を調べたときに第一宇宙速度についても読んだ覚えがあるけど、忘れた。あと、翼もくださいを初めて聴いた。タイトルを知っているだけで聴いたことはなかったんだけど、すぐに好きだと思った。私は初めて聴いたときに「うわ、好き!」って思うことはあまりないので(とくにライブとかだと歌詞もよく聞き取れないしメロディもわかりづらい)、こういう感覚は珍しいし大事にしたい。弾き語りだからか、曲がスッと入ってきた。彼のTwitterは面白いのでたまに見ているけど、どの曲も、同一人物が書いているとは思えないほど感傷的でグッとくる。4/20がますます、ますます楽しみになった。

スリーで、帰り際にタカハシさんとすれ違ったので勇気を出して声をかけた。最近勇気を出すことが多いなぁ。ライブハウスに入るにも勇気が必要だし、初めてDMで取り置きをしてもらったとき、ライブで前のほうに行くとき、メンバーに声をかけるとき、最近本当に勇気ばかり出している。優しくて嬉しかった。なんかタカハシさん、左利きって感じがする…。なんか"左利き"って言い響きだな。

 

高校生の頃は毎日、とは言わないか、週4くらいで日記をつけていたけど、受験期くらいからかなぁ、それをやめてしまったので、カワノさんの真似をしてまた書いていこうかなぁと思う。ここだとさすがに見ている人がいる(のか?)可能性があるので、日記アプリにでも。ここでノートに書こうと思わないのが現代っ子。中学生の頃はノートに書いてたなぁ、日記と呼べるかわからないけど、くだらない内容を毎日三行程度で書き記していた。私がこういう文章を書いたり語ったりするのが好きなのは昔からで、小学6年生の頃、週末に出されていた日記の宿題を、自由提出なのにも関わらず私は毎週そこそこ長い文を書き上げて提出していた。先生が必ず何かコメントを書いてくれることが嬉しかったのを覚えている。なんか別にここでもいい気がしてきた、まあどこでもいいや。でも私ライブ行くかバイト行くか寝るか食うかしかしないから代わり映えしないだろうなぁ、そこはさすがバンドマン、という感じで、カワノさんの日記では日々いろいろなことが起こっていて、それに対していろいろなことを感じていて、何というか、読み応えがある。というか歌詞書いてる人だしね、私の大好きな曲たちを作ってる人だしね。起きてすぐカワノさんの日記を読んで目を覚ます、というのが毎日のモーニングルーティーンだったけど、最近は寝るのが遅くて就寝前にカワノさんの日記が更新さているので、もはや寝る前のナイトルーティーンと化している。昨日の日記で貸してもらったギターだから大事に使いたい、と言っていたけど、壮大な振りにしか思えなかった…。スリーでも借り物のギターの弦切ってた(?)しなぁ。でも本当に、借りた物は壊しちゃいけない。と、言いつつ、ほんのちょびっとだけそういうのを期待している自分もいる、気がする。私はパンクとかが好きだったのか?いや、そういうわけではない。ただライブ中に暴れるカワノさんは好きだ。でもあれ以上暴れられたらちょっと心配になる。足も、ちゃんと労ってほしい。

 

眠くなってきた。寝る。

 

3/4(mon) 下北沢SHELTER CRYAMYを見た

 

いつもと何が違うのか、と言われればちょっと難しいんだけど、なんかこの日はすごく良かった。めちゃくちゃ良いライブだった。カッコよかったとか感動したとかとはまた違くて、それは大前提にあるとして、"良いライブ"だった。一皮剥けた感じというか、何というか…。とにかく私はいつもよりもすごく興奮したし、終わった後に残った熱から逃げるようにそそくさとシェルターを出た。外に出ると、前日から続いていた雨がまだ微妙に降っていて、空気の冷たさが心地よかった。下北沢の駅に着いたら130円の切符を買って改札を抜けた。ホームに出るとすぐに電車がやって来て、空いている車内の端っこの席に座ると、ようやく、興奮が少し引いたように思えた。

 

実はCRYAMYの前のHue'sもすごく良くて、私はYouthと夏を待っているくらいしか知らなかったんだけど、文句なし別格のライブだった。ビックリした。こんなに良いなんて知らなかった。とくに夏を待っているの一つ前の曲がすごく良かったんだけど、あとでメンバーのTwitterを見たらセットリストが載せられていて、「Akiraboy」という曲だとわかった。CD買えばよかったなぁ。Youthは本当によく聴いた曲だと思う。すごく好きだ。この日、初めて生で聴いた。圧巻、感動。サビまでがちょっと長くて、Aメロ、Bメロ、サビかと思いきやまたAメロ、Bメロ、引っ張るような短い間奏のあと、ハードルを上げに上げてそれを優に飛び越えるサビのメロディ、コーラス、めちゃくちゃ良かった…。失敗した、もっと良いポジションで見ておけばよかった。4/20がますます楽しみになった。Hue'sのボーカルの歌い方というか、発声の仕方というか、歌ってるときの姿?がBUMPの藤原さんに似ていた。ファンは彼のことを「藤くん」とか言ったりするけど、私は好きになった頃からずっと藤原さん。何故なら尊敬しているから。大尊敬、もはや神だから。

すごい良いじゃん…と思いながらCRYAMYの出番を待った。カワノさんは骨折しているし、フジタレイさんの指の状態もわからないし、シェルターに着いてから一度もタカハシさんを見かけてないしで少しだけ心配な気持ちがあったけど、いざ出てくるとフライングV(私は知らなかったけどこういう名前?呼称?らしい)がなかなか似合っていたので安心した。ROKIもオレンジスパイニクラブもHue'sも「どこからこんなに来るの?」というくらい人がいたけど、CRYAMYも負けないくらいたくさんいたので嬉しかった。なんか、見た感じだと、ROKIとオレンジスパイニクラブを見に来てるお客さん、Hue'sとCRYAMYを見に来てるお客さんで層が別れていた気がする。

 

雨とdelayを少し演奏したあと、一度捌けてからライブが始まった。カワノさんの、骨折してる人とは思えないようなジャンプ。フジタレイさんのギターはまだ少し血が残っているように見えた。今さらだけど、私、タカハシさんのファンかもしれんな…。とにかく向かって左側に目がいく。視界の軸が左。いつもベース側に陣取ってるし。タカハシさんのコーラスが本当に好き。感覚でしかないけど、カワノさんの声と合ってる。聴き心地がいい。カワノさんに負けず劣らず暴れてるのも好き。あっち行ったりこっち行ったりしてるのがたまらん。

ten、普通、ピンク。ピンクかっこいいなぁ、これがシングルの一曲目かぁ、良いよなぁ。あ、今日いつもと違う、と思ったのがピンクを演奏しているとき。カワノさんがフジタレイさんの胸ぐらを掴んでいた。前もフジタレイさんに蹴りを入れていたし、なんでそんなに乱暴するんだ、と少し笑ってしまった。3日前の吉祥寺では声が掠れていたけど、この日は喉の調子は悪くなかったみたいで、綺麗、とは言いがたいかな、でもよく通る高音が聴けてよかった。ピンク、マジでカッコよくない?テリトリアルとか普通とかとはまた違ったカッコよさ。「夢精 誘蛾灯 糸が」の語感がたまらない。歌いたくなる感じ。

本当に、とくにこの曲が!とか、このMCが!とかはないんだけど、全体を通してすごく良いライブだった。「ギターがぶっ壊れようが足が折れようが俺はバンドをやめません」とカワノさんが言った。この前の吉祥寺のMCでは、「この四人でやっていく」と言っていた。ああ、じゃあ、この四人でバンドをやってくれるんだなぁ、と、安心した。

例えば、ラッドはドラムが休養?で3人になって、SALOVERSは解散して古舘佑太郎が新しく2を初めて、baseballbearはギターが失踪、フジファブリック志村正彦が亡くなり、ポルノだってもともと3人だった。紆余曲折、いろんなバンドにいろんなことがある。なんか、おかしいよな。そのバンドにしか鳴らせない音楽ってなんだろう、そのバンドの何が好きだったんだろう、本当にそのバンドが好きだったのかな。そのバンドじゃないといけない理由なんて、どこにもないだろう。と、そんなことをウダウダ考えても「まぁいいや」と思えるのは、私が、CRYAMYを信じているからなんだろうなと思う。というか、信じきっているからなんだろうなぁ、と。CRYAMYは解散しない、脱退しない、死なないって。良いか悪いかわからないけど、私は音楽をそういうふうにしか聴けない。"これを信じていれば救われる"とか、そんなふうにしか聴けない。だから音楽は助けてくれないと知ったときは本当にショックだったし、一方的に信じて一方的に裏切られた気分だった。でも私は今、CRYAMYの曲はもちろん、四人のことも信じているんだろうな、と、マジで気持ち悪いけどそういう感じ。距離が近いからこそではあるけど、ずっと"これだけは!"と思って信じてきたバンプよりも、そういう気持ちは強いと思う。何をもってCRYAMYとするかはもう彼ら次第だけど、CRYAMYでいる限り私はずっと好き。次の日はTHREEに行ってきた。三人いれば音は鳴るから、バンドは良いなと私も思った。

 

テリトリアルの冒頭、ノイズに紛れてカワノさんが放った言葉は、ひとつも聞き取れなかった。でも私はあの光景が忘れられない。いつもより高いステージ、それでもやっぱり狭いスペース。カワノさんの表情、爆音のノイズ、ドラムの破裂音。あれ、私の音楽の趣味ってこんなんだっけ。いや別に、うるさいのが好きというわけではない。歪んだギターの音なんて、私にはわからない。チューニングも名前しか知らない。でも、良かった。最近、音楽で感じたことを言葉にすると、なんか悪いことをしている気分になるけど、さすがに「良かった」という感想しか出てこないと少し笑えてしまう。でも、それしか出てこないし、しょうがない。"良い"ものは"良い"としか言いようがない。あそこにいたみんな、どうせ同じ気持ちだろうし。カワノさんの足が折れていることを、私は途中忘れていた。

 

ライブレポとは言いがたい散文、恥ずかしいけど載せてしまうのは、誰かに見てほしいからなんだよなぁ、不思議。

 

1/24(thu) 下北沢BASEMENTBAR CRYAMYを見た

 

カワノさんのサウンドクラウドの中でもとくに好きな、イマジンを最初に歌っていて嬉しかった。ライブでちゃんと聴ける日もそう遠くない、と思ってもいいのかなこれは。delayも良かった。早くライブで、ちゃんと一曲通して聴きたい。

 

ライブ自体はcrybabyから始まって、いつもはだいたいtenから始まるから新鮮で良かった。なんか本当、こうやってライブにくると、改めて、好きだなぁと思う。crybabyも、ディスタンスも、ピンクも、tenも、全部全部カッコいい。カワノさんがフジタレイさんを蹴ったのはちょっと笑っちゃったけど。今さらだけどフジタレイって良い名前。どういう漢字書くんだろう。すごく関係ないけど、バイトの先輩(2つ上)がフジタレイさんに激似で、なんか最近カッコよく見えてきた。入りたての頃にいろいろ教えてくれたときは優しくて好きだったけど、最近は2つ上の代とあまり仲がよろしくなくて、去年の夏くらいから一度も飲みに行っていない。2つ上は全員男だからあまり合わないって言うのもあるけど。フジタレイさん、なんかたぶん、優しい人なんだろうなと思う。途中、「え~!」と言いながらカワノさんに水をあげていた。そういえば、前回の新宿のライブでカワノさんが1リットル(たぶん)のペットボトルを持ってきていたのはちょっとビックリした。でも、そりゃ、喉渇くだろうなぁ。この日もカワノさんが暴れながら持ち上げたギターの先が後ろにいるタカハシさんに当たりそうになっていたし、フジタレイさんに関しては頭に当たっていた。

 

普通を歌う前のMC、良かったなぁ。私も気になっていたところだった。ノーマルか、ユージュアルか。実際、私はどちらかと言うとノーマルだと認識していて、「こんな生活も自分にとっては普通のこと」と、そういう意味だと思っていた。ユージュアルに属せなかったなぁ~って意味だったんですね。この曲のときは色々考えが巡って、将来が不安になっていた。いや、そんなものはずっと不安なんだけど、全然学校に行っていないから他の子より単位が遅れているし、今年3年生になったら就活が始まるし、でも始め方がわからないし、何よりもやりたいことがない。将来への不安の原因が圧倒的な怠惰。居酒屋バイトしか続かないところにも社会不適合性がもろに見える。あそこは常人の働く場所じゃない。マジで。まあ、他の居酒屋は知らないけど、少なくとも私のところはそう。この前お客さんがトイレにゲロをぶちまけて、その処理を社員さんがしていたんだけど、あまりにもイヤイヤと言うから「私やりますよ」とでしゃばってしまった。高校生のときに仕事柄というか、他人のゲロをたくさん片付けてきたからあまり抵抗がない。案の定断られたけど。そういうことはバイトにはやらせにくいみたい。でもずっとオエオエ言っているから、私は洗い物をしながらイライラしていた。学校にも行かず文句を言いながらバイトして、本当に救いようがないなぁと思うけど、それでも救ってほしいものだから、こうやってセコセコとライブハウスに通うんだと思う、CRYAMYを見に。普通、イントロがカッコいい。友達にこの曲を聴いてもらったとき、「出だしがすごく良い」と言ってくれて嬉しかった。別に、ライブに行ったからといって、CRYAMYを聴いたからといって、それで現状が変わるわけでもないし私の怠惰が直るわけでもないし、就職先が見つかるわけでも誰もゲロを吐かなくなるわけでもない。それでも、曲を聴いているときやライブを見ているとき、その瞬間だけは幸せになれるから、救われたなぁと思うわけで。好きなメロディ、好きな音、好きな歌詞、好きな言葉、全部くれるのはバンドだけだし、その中でも今の私にとってCRYAMYは一番響く。たしかにバンドはユージュアルじゃないかもしれないけど、CRYAMYがバンドをやっていてくれて、本当に良かったなぁと思った。

 

最後、テリトリアルを演奏する前に、カワノさんが「死なないでね、寂しいから」と言っていた。なんかもう、冗談であっても簡単に人に死ねとか殺すぞとか言えない。言うけど。死にたいとかも言えない。言うけど。私はずっと、ライブでこの曲を聴くたびに「うわぁカッコいい!」という感想しかなかったんだけど、この日はそう思えなくて、いや、カッコよかったんだけど、なんか、なんだか、悲しくなった。悲しいというかなぁ、なんというか、やるせなさというか、不甲斐なさというか、そういう、気持ちが、見えた。私は、「君の絶望に触れていたいよ」って歌詞がすごく好きで、ロックバンドは、それを好きになった頃からずっと私にとってそういうものだし、初めてこの曲を聴いたとき、原点回帰のようなものを感じた。こういうバンドサウンドとか攻撃的な声とかもそうなんだけど、それよりも、自分が。曲を聴いてただただカッコいいなと思えて、ライブに行きたいと、このバンドに救ってもらいたいと思える。この曲なんかとくに、優しさも感じないし大それたことを言うわけでもなく終始何も言えずに痛がってるけど、私の、絶望に、触れてくれるんじゃないかなと、そう思った。それはたぶん、この曲には優しさや自信がないかわりに絶望があるからだろうなと感じたし、CRYAMYの曲は、そんなのばっかりだ。それにカッコいいメロディがついてるから、もう虜になるわけだ。カワノさんの言うとおり私は超不幸でも超幸せでもないけど、こうやってCRYAMYを見ているときは、やっぱり超幸せ。だから、CRYAMYも、死なないでね。寂しいから。

 

ライブのあと友達と飲みに行く約束をしていたので、演奏が終わったらすぐに会場を出た。ベースメントバー、やたらタバコの匂いがした。別に苦手というわけではないけど、服に匂いがつくのが少しだけ嫌だ。友達に「タバコくさい」とか言われたらどうしようかと思った。最寄りに着いたときには23時を回っていたけど、気にせずガッツリ焼き鳥を食べた。ぼんじりが好き。

友達と、好きなバンドの話をたくさんした。その子は最近キングヌーにハマッているみたいで、たくさん曲を聴いたけど私には少し難しかった。CRYAMYを聴いてもらったら、普通が好きだと言ってくれた。

そのあと、2時くらいまでお店でキャベツをむさぼって、私がまだ初詣に行っていなかったので近所の神社にお参りにいった。CRYAMYが売れますようにとお願いした。もし本当にそうなったら、私の鼻が高いから。私は神様も幽霊も宇宙人もツチノコもサンタクロースも信じている。火のないところに煙は立たないし。CRYAMYも信じている。

 

次は、28日。ライブホリック。下北沢どんだけライブハウスあるんだ、次から次へと新しいライブハウスに誘導される。ベースメントバーが一番よかった。タバコの匂いが強かったけど。

 

12/27(thu) 下北沢近松 CRYAMYを見た

 

30日までに間に合わなくて時系列がバラバラになっちゃうけど、近松の感想を、少し。

 

 

駅を出て最初のあの通り、本当に嫌い。酔っ払いに絡まれキャッチのお兄さんの視線を感じながら、Googleマップだけを見つめて近松へ。入り口でたむろする人たちを気にしないフリで扉を開ける。

相変わらず容赦ない。嫌い。怖い。下北沢もライブハウスも。

中に入るともうCRYAMYが演奏の準備をしていた。結構人がいたので、後ろの方で自分の居場所を作って落ち着いた。

 

前回のライブとのあいだに2回弾き語りを挟んでいたから、日数的にはそうでもないのになんだかライブが久々な感覚だった。やっぱりバンドは良い。うるさいギターの音に惚れたら負け。嫌いでも怖くても、こうやって足しげくライブハウスに通う他ない。ていうかなんで、みんな普通に来られるんだろう。私なんて初めてライブハウスにCRYAMYを見に行ったとき、死ぬほど緊張したしビビりすぎてお腹痛くなったし、時間まで駅前のベンチで時間潰そうと思ってTwitterを見ていたら雨が降ってきて、もう最悪だった。いっそ帰ってしまおうかと思った。そういえば、CRYAMYのライブに行く前にライブハウスに慣れておこうと思って、バンドをやってる友達に3年ぶりくらいに「ライブ行きたい!」と連絡したりもした。全然興味ないのに。結局行かなかったんだけどね。次のライブの日が遠すぎて、いつになったらCRYAMY見に行けるんだと思い、もう先にCRYAMYを見に行った。本当に恐る恐るだったけど、カッコよかったんだよなぁ。西永福JAMだった。今思えば、一番優しいライブハウスだったかもしれない。綺麗だったしね。

 

ten、ディスタンス、普通、ピンクと、ライブはどんどん進んでいく。なんかもう本当に、ダーッ!って感じで。

余談(になるのかな)だけど、休日の昼下がりや眠れない深夜、散歩がてらコンビニに行くことが結構ある。最近は、特に夜なんてありえないくらい寒いから、ジャージを履いてジャージを着てその上にまたジャージを羽織っているんだけど、思えばそのジャージたちは、高校の先輩や、その頃お世話になった人がくれたもの。全部ヨレヨレのお下がりだけどなんだかんだ大事に着てる。よくわからないブランドのダサいジャージを上下セットでくれた人(他にもアディダスのジャージとかプーマのジャージとか、スポーツマンしか着ないようなアンダーシャツをたくさんくれたけど、このダサいジャージが一番お気に入り。しかも男物のXLなのにサイズがピッタリなことが永遠の謎。別に細くはないけど男物のXLがピッタリなほど太ってもないはずなのに…)、16歳の私の数少ない味方、その人の顔が、tenを聴くたびに脳裏にチラつく。好きだったとかそういうのではなくて、その人が飼っていた犬の名前がテンだったから。マジでそれだけ。表には出さなかったけど、高校に入学したときからずっと気にかけてくれていた。結局いろいろあって私が高校2年生になる春にいなくなっちゃったんだけど、本当に辛かった1年間、こんな私にも優しくしてくれて感謝しかない。当時は自分のことで精一杯でそんな優しさすらも無下にしてしまっていたんだけど。高校を卒業してからは辛いこともそんなになくなって思い出すことも減っていたのに、tenを聴いてよく思い出すようになった。あの人がいたから、というほどの美談ではないしこれと言ったエピソードもないけど、救われたのは確かなんだよなぁ。

 

普通とピンク、ライブでやるとき少しテンポが早くて好き。ピンクは明らかにサウンドクラウドのデモ音源とはテンポが違うけど、普通はあまりそう思っていなくて、ずっとライブ音源を聴いていたあとにアルバムの普通を聴いたらなんかゆっくりだな、と感じた。「なんと言われようが~」の部分で、カワノさんがギターを持ち上げるとき、毎回、天井にぶつかる!と思うけど絶対ぶつからない(3日後のデイジーバーではぶつけていた、故意に)。アレ、めちゃくちゃカッコいい。ライブの感想って、結局いつも"カッコいい"とかそういうシンプルなものしか出てこなくて、本当はもっと細かく、いつ、なにが、どんなふうに良かったかを説明したいのに、うまいこと言葉が出てこない。そんなんでいいのかな。こういう文章も、時間をかけていろいろ悩んで学校をサボって書き上げても、結局大したこと言ってないし。でも本当に、カッコいい以外の言葉が出てこないというか、それが一番この気持ちを表してるって時はやっぱりある。バンドはそういうもん、と言ってしまえばそれまでだしね。

 

雨をやった。「今日は晴れて良かった」とカワノさんが言っていた。運動会の挨拶でも、友達との旅行でも、興味のない男と遊ぶときでも、聞いたことのないトーンで。そこからはもう釘付けだった。この曲はたぶんアルバムで一番好きで、最後の少し長いアウトロまで耳を澄ましてしまう。良い曲。良すぎる。もはや怖い。良すぎて怖い。素敵すぎて、全然考えが追いつかん…。ひとつ言えるのは、「近所のコンビニで死んだ」って歌詞、その理由が「今日もとくにやることないから」って言うところが好き。今日も、の、"も"まで愛しい。こういう歌詞を、曲の最初にドカンと置くわけでもなく最後のサビまで(この曲はラスサビって部分がないけど)とっておくでもなく、二番のサビの前にちょこっと隠してしまうところになんか本音が見えると言うか、そういう不意に現れる鈍い衝撃が、私は好き。刺されたとか殴られたとかというよりは、握られた、という感覚。初めてテリトリアルを聴いた時はイントロからぶっ刺さったけど。最初に刺さったものが今もなお抜けずにいるわけだけども。あとこの雨、ちょっと声低いところも好き。

 

これ、書き終わる前に30日が来ちゃってデイジーバーに行ったし、日にちも近いから、この日に思ったことを30日で再確認みたいな感じになった。デイジーバーのライブレポのほうに割とこの日に思ったことも書かれてる。今さらだけどライブレポってなんか恥ずかしいな、そんな大それたものでもないし。

 

この日、ライブが終わったあとにグッズのロンTを買おうと思ったら、物販に立っていたのが石左さんだった。石左さんの記事は好きだけど石左さん自体はなんか怖いイメージがあって、本当は赤か黒が欲しかったのになんかテンパって「白ください」と言ってしまった。初めて対面したけど、普通に物腰柔らかな、感じのいい人に見えた。「メンバーその辺にいると思うんで話しかけてやってください」と言われたので、その時石左さんの隣にいたオオモリさんに「カッコよかったです」とだけ言った。汗だくだった。上着を着てマフラーまで巻いてる自分がなんか恥ずかしく思えた。

その後いつものようにジンバックをもらって、いつものように一気に飲み干して外に出た。やっぱり入り口の前に人が2、3人いた。なるほど、あそこに灰皿があるのね。そういえば、30日にデイジーバーに行ったとき、受付の横、物販の前で石左さんと、たぶんベースのタカハシさんが話していた(何故タカハシさんだという確証がないかと言うと、私が人の顔をちゃんと見ないで下ばかり見ているから。本当にタカハシさんだったら「声かけなきゃ!」という使命感に駈られるから。石左さんは声でわかる。特徴的だから)。取り置きをしてもらっているので、「CRYAMYで~」と言って受付してもらわないといけないから、二人に聞こえないようにめちゃくちゃ小さい声で言った。聞こえてたら感じ悪いかな、声もかけずにね。でも無理なんですよ、話しかけるの、いや本当は話しかけたいけど、普通にビビっちゃう。話しかけてる人を見るとすごいなぁと思う。

 

電車に乗って最寄りに着いて、何か食べてから帰ろうと思って入ったお店で、「満席なので」と門前払いをくらった。そうか年末か~と思いながら歩いていたら、急に寂しくなった。友達でも呼んで飲もうかと思ったけど、こんな時に自分から連絡できる友達は3人、1人は日々忙しいから無理だろうし(そもそも家が遠すぎる)、1人は今日サークルの飲み会だと言っていたし、1人はバイトだった。コンビニで適当に何か買って帰ろうと思ったけど、全然食べたいものが見つからない。ファミマ、セブン、ファミマと三軒回ったけど何も買わず、結局1時間くらいぷらぷらしてから帰宅した。眠かったんだと思う。風呂にも入らず化粧も落とさず着替えもせずすぐに寝た。3時くらいにのそのそ起きて、服だけ着替えてまた寝た。

 

年越し前も年明けも、ずっとディスタンスのMVを見ていた。いいね。いい。純粋に、いい。それだけだ。今年もよろしくお願いしますと、そんなとこ。